マーラー:歌曲集「さすらう若人の歌」 第3曲-第4曲

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット Herbert Blomstedt
グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団 Gustav Mahler Jugendorchester
バリトン:クリスティアン・ゲルハーヘル Christian Gerhaher
Live recording at the Royal Albert Hall for the BBC Proms on September 1st 2010

第1曲-第2曲 第3曲-第4曲

 

第3曲「僕の胸の中には燃える剣が」 Ich hab' ein gluhend Messer
絶望の表現に満たされている。主人公は、失った恋人が自分の心臓に鋼のナイフを突き立てたという思いに苦しんでいる。主人公は、身の回りのすべてのものが恋人を連想させるというほどに、明らかに執念にとり憑かれており、自分にナイフがあればよいとさえ願う。音楽は濃密かつ感動的で、主人公の妄執の悩ましさに一致している。

第4曲「恋人の青い瞳」 Die zwei blauen Augen
明らかに解決の楽章である。控えめで穏やかで叙情的で、和声法はしばしばコラール風である。恋人のまなざしの面影にどんなに自分が苦しめられたか、もう耐えられないほどだと歌われている。男は菩提樹の木陰に横たわり、何事も起こらなければよい、万事好転すればよい(「何もかも。恋も、悲しみも、世界も、夢も!」)と願いながら、花びらが体の上に覆いかぶさるのに任せる。この曲の旋律も交響曲第1番に転用された。

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