J.S.バッハ:モテット 第5番 BWV 229 Komm, Jesu, komm

指揮:ヴァーツラフ・ルクス Vaclav Luks
Baroque Orchestra Collegium in Prague 1704
Recorded for Prague Spring Festival プラハの春音楽祭 18 May 2020

モテット(英: 仏: motet、独: Motette、伊: mottetto、羅: motetus)は、声楽曲のジャンルのひとつ。一般的に、中世末期からルネサンス音楽にかけて成立・発達した、ミサ曲以外のポリフォニーによる宗教曲を指す。

モテットという言葉自体は、歴史をさかのぼると13世紀以降に発展を始めた世俗のポリフォニー歌曲に行き着くが、音楽学者は便宜上、アルス・アンティカやアルス・ノヴァの世俗ポリフォニーについてはラテン語を用いて「モテートゥス」とし、ルネサンス以降の教会ポリフォニーについては「モテット」としている。英語とフランス語は、綴りが同じだが、フランス語では「モテ」と読む。

モテットは、ルネサンス時代にミサ通常式文以外の宗教曲全体を指すようになる。バロック時代になって、地域ごとや宗派ごとの微妙な分化が始まった。ドイツのプロテスタント教会では、コラールを利用したモテットが作られるようになり、シュッツやシャイン、ローゼンミュラーらがヴェネツィアから持ち帰った複合唱様式が採り入れられ、バッハもこのタイプのモテットを盛んに書いた。一方、フランスでは、室内アンサンブルや管弦楽伴奏を伴うグラン・モテ(大モテット)と、オルガン(と通奏低音楽器)のみを伴奏とするプチ・モテ(小モテット)が成立する。イングランドでは、アンセムやオードと呼ばれる類似したジャンルが成立した。ルター派教会でもラテン語によるモテットが作曲されることが間々あったのに対して、イングランドでは国教会の影響のもとに、典礼音楽にも英語の使用が徹底して推し進められ、それがジャンル名にも反映されることとなった。
バロック期ドイツ作曲家のモテット
・ハインリヒ・シュッツ
・ヨハン・ゼバスティアン・バッハの6曲のモテット
  • 1. 主に向かいて新しき歌を歌え Singet dem Herrn ein neues Lied (1726) BWV 225
  • 2. 聖霊はわれらが弱きを助けたもう Der Geist hilft unser Schwachheit auf (1729) BWV 226
  • 3. イエス、わが喜び Jesu, meine Freude (?) BWV 227
  • 4. 恐れるなかれ、われ汝とともにあり Furchte dich nicht (?) BWV 228
  • 5. 来ませ、イエス、来ませ Komm, Jesu, komm! (1730 ?) BWV 229
  • 6. 主を頌めまつれ、諸々の異邦人よ Lobet den Herrn alle Heiden (?) BWV 230
バッハ以後のモテット 18世紀後半から啓蒙主義やロマン主義のあおりを受けて、しだいにキリスト教が衰退する中、モテットも次第に顧られなくなる。しかしながらそのような中でも、モーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスは有名かつ重要な作品となっている。その他フランク、ブルックナー、ブラームス、サン=サーンス、フォーレ、スタンフォード、ヴォーン・ウィリアムズ、ディストラー、クレーネクなどがモテットを作曲している。近現代のイギリスやアメリカ合衆国の作曲家は、聖公会が部分的にカトリック典礼を復興するようになると、英語だけでなくラテン語のモテットの作曲にも取り組むようになった。

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