指揮: カイ・ヨハンセン Kay Johannsen
登場人物
語り手:テノール Andreas Weller
シュレンドリアン(「旧弊な人」の意):バス Benjamin Appl
リースヒェン(シュレンドリアンの娘):ソプラノ Rahel Maas
おしゃべりはやめて、お静かに(独:Schweigt stille, plaudert nicht、別名:コーヒー・カンタータ、BWV 211)は、J. S. バッハの世俗カンタータ。1732年から1734年にかけて作曲されたカンタータであり、小喜歌劇である。
18世紀当時、本作の初演地のライプツィヒではコーヒー依存症が喫緊の社会問題となっており、本作はこれを題材とした喜劇である。
作詞はピカンダー(英語版)によるもので、「日に3度のコーヒーを欠かせば、苦しさのあまり、干からびた山羊肉のように萎んでしまう」といった歌詞が特徴。本作の初演は、ゲオルク・フィリップ・テレマンが1702年に設立したコレギウム・ムジクムによって、ライプツィヒのツィンマーマンのコーヒーハウスで執り行われた。
バッハは歌劇を書いておらず、このカンタータも演奏会形式のために書かれたものであるが、今日では衣裳を着込んでの上演が多い。
1 叙唱: | Schweigt stille 語り手 シュレンドリアンとリースヒェンを紹介する前に、静粛と傾聴を聴衆にお願いする(おしゃべりはやめて、お静かに)。 |
2 アリア: | Hat man nicht mit seinen Kindern シュレンドリアン 言うことを聞かない娘に対する憤りを詠う。 |
3 叙唱: | Du boses Kind シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、娘にコーヒーを飲むのをやめるよう言う。リースヒェンは、反抗的な態度で父親に落ち着くよう言う。 |
4 アリア: | Ei! Wie schmeckt der Kaffee suse リースヒェン コーヒーに対するラブソングを歌い上げる。 |
5 叙唱: | Wenn du mir nicht den Kaffee last シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、食事や洋服などの愉しみを全て取り上げるなどと脅し始める。リースヒェンは、あっけらかんとしている。 |
6 アリア: | Madchen, die von harten Sinnen シュレンドリアン 娘が二度とコーヒーを飲みたくなくなるような弱点を明らかにしようとする。 |
7 叙唱: | Nun folge, was dein Vater spricht! シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、コーヒーを諦めないなら、結婚させないと脅す。リースヒェン、動揺。 |
8 アリア: | Heute noch, lieber Vater ースヒェン リースヒェンは、婿を見つけると言った父に感謝し、恋人を持てるならコーヒーを諦めると誓う。 |
9 叙唱: | Nun geht und sucht der alte Schlendrian 語り手 娘婿を探しに出かけるシュレンドリアン。実は、コーヒーを飲ませてくれる人でなければ結婚しないと心に決めているリースヒェン。 |
10 三重唱: | Die Katze last das Mausen nicht 総唱 母も祖母も飲むコーヒーを、娘が飲むのを止めることはできないと、娘、父、語り手の3人全員で歌う。 |