J.S.バッハ:カンタータ 第140番 "Wachet auf, ruft uns die Stimme" 「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」

指揮: カイ・ヨハンセン Kay Johannsen
solistenensemble stimmkunst | Stiftsbarock Stuttgart
Auffuhrung im Rahmen des Zyklus’ Bach:vokal, Stiftskirche Stuttgart, 1.12.2017.

1. Coro
2. Recitativo (Tenor): Er kommt, er kommt (Michael Berner) 6:38
3. Duetto (Sopran & Bass): Wenn kommst du, mein Heil? (Rahel Maas & Thomas Scharr) 7:40
4. Choral (Tenor): Zion hort die Wachter singen (Stephan Scherpe) 13:42
5. Recitativo (Bass): So geh herein zu mir (Matthias Horn) 17:39
6. Duetto (Sopran & Bass): Mein Freund ist mein (Franziska Bobe & Ekkehard Abele) 19:02
7. Choral: Gloria sei dir gesungen 24:53

第1曲 コラール 「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」 Wachet auf, ruft uns die Stimme
変ホ長調、4分の3拍子。 弦とオーボエが付点リズムを行進曲風に奏し、やがてコラール旋律がソプラノに現れる。
第2曲 レチタティーヴォ 「彼は来る、まことに来る」 Er kommt, er kommt,
イエスの姿を伝えるテノールの語り。婚礼の祝宴を前に、再び「目覚めよ」の声が発せられる。
第3曲 二重唱 「いつ来ますや、わが救いのきみ?」 Wenn kommst du, mein Heil?
魂(ソプラノ)とイエス(バス)の間で交わされる、霊化された愛の二重唱(アダージョ、ハ短調、8分の6拍子)。 ヴィオリーノ・ピッコロの技巧的なオブリガートを伴う。
第4曲 コラール 「シオンは物見らの歌うの聞けり」 Zion hort die Wachter singen,
変ホ長調、4分の4拍子。テノールの歌うコラールは、ユニゾンの弦が晴れやかな落ち着きを持って絡む。
第5曲 レチタティーヴォ 「さらばわがもとへ入れ」 So geh herein zu mir,
花嫁が登場し、イエスに擬せられたバスが「永遠の契り」を宣告する。
第6曲 二重唱 「わが愛するものはわが属となれり」 Mein Freund ist mein,
再び魂とイエスとの二重唱(変ロ長調、4分の4拍子)となる。軽やかに浮かれ立つようなオーボエ・オブリガート付きの明朗な音楽が繰り広げられる。
第7曲 コラール 「グローリアの頌め歌、汝に上がれ」 Gloria sei dir gesungen
ニコライのコラールが三たび変ホ長調で響きだす。簡潔な4声体楽曲である。

カンタータ第140番 目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声 BWV140、(Wachet auf, ruft uns die Stimme)は、ヨハン・セバスティアン・バッハが作曲したカンタータ。タイトルは「目覚めよと呼ぶ声あり」などと表記されることもある。
カンタータ第140番は「コラール・カンタータ」と呼ばれる形式によっており、カンタータの基礎となっているコラールは、フィリップ・ニコライという作曲家のコラールを第1曲、第4曲、第7曲に用いている。そのコラールの着想の原点となっている三位一体節後第27日曜日の福音書章句(マタイ伝第25章1から13節)では、花婿の到着を待つ乙女のたとえを用いて、神の国の到来への備えを説く。それをふまえ、真夜中に物見らの声を先導として到着したイエスが、待ちこがれる魂との喜ばしい婚姻へと至る情景を描いている。

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