◆ベートーヴェン作曲 交響曲第9番 第4楽章「歓喜の歌」 歌詞対訳

歌詞は、シラーの詩作品「自由賛歌」(Hymne a la liberte 1785年)がフランス革命の直後ラ・マルセイエーズのメロディーでドイツの学生に歌われていた。そこで詩を書き直した「歓喜に寄せて」(An die Freude 1803年)にしたところ、これをベートーベンが歌詞として1822年 - 1824年に引用書き直したもの。 一説にはフリーメイソンの理念を詩にしたものだともいう。
ベートーヴェンは生涯にわたってシラーの詩集を愛読したが、実際に交響曲第9番ニ短調『合唱付』作品125の第4楽章の歌詞に織り込むにあたって、3分の1ほどの長さに翻案している。冒頭にバリトン歌手が独唱で歌う“おお友よ、このような歌ではなく…”は、ベートーヴェンが自分で考えたものであり、シラーの原詩にはない。

歌詞(ドイツ語原詞・日本語訳)

An die Freude O Freunde, nicht diese Tone! Sondern last uns angenehmere anstimmen und freudenvollere. (ベートーヴェン作詞) Freude, schoner Gotterfunken, Tochter aus Elysium Wir betreten feuertrunken. Himmlische, dein Heiligtum! Deine Zauber binden wieder, Was die Mode streng geteilt; Alle Menschen werden Bruder, (シラーの原詩: Was der Mode Schwert geteilt; Bettler werden Furstenbruder,) Wo dein sanfter Flugel weilt. Wem der grose Wurf gelungen, Eines Freundes Freund zu sein, Wer ein holdes Weib errungen, Mische seinen Jubel ein! Ja, wer auch nur eine Seele Sein nennt auf dem Erdenrund! Und wer's nie gekonnt, der stehle Weinend sich aus diesem Bund! Freude trinken alle Wesen An den Brusten der Natur; Alle Guten, alle Bosen Folgen ihrer Rosenspur. Kusse gab sie uns und Reben, Einen Freund, gepruft im Tod; Wollust ward dem Wurm gegeben, und der Cherub steht vor Gott. Froh, wie seine Sonnen fliegen Durch des Himmels pracht'gen Plan, Laufet, Bruder, eure Bahn, Freudig, wie ein Held zum Siegen. Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kus der ganzen Welt! Bruder, uber'm Sternenzelt Mus ein lieber Vater wohnen. Ihr sturzt nieder, Millionen? Ahnest du den Schopfer, Welt? Such' ihn uber'm Sternenzelt! Uber Sternen mus er wohnen. 「歓喜に寄せて」 おお友よ、このような音ではない! 我々はもっと心地よい もっと歓喜に満ち溢れる歌を歌おうではないか (ベートーヴェン作詞) 歓喜よ、神々の麗しき霊感よ 天上の楽園の乙女よ 我々は火のように酔いしれて 崇高な汝(歓喜)の聖所に入る 汝が魔力は再び結び合わせる 時流が強く切り離したものを すべての人々は兄弟となる (シラーの原詩: 時流の刀が切り離したものを 貧しき者らは王侯の兄弟となる) 汝の柔らかな翼が留まる所で ひとりの友の友となるという 大きな成功を勝ち取った者 心優しき妻を得た者は 彼の歓声に声を合わせよ そうだ、地上にただ一人だけでも 心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ そしてそれがどうしてもできなかった者は この輪から泣く泣く立ち去るがよい すべての被造物は 創造主の乳房から歓喜を飲み、 すべての善人とすべての悪人は 創造主の薔薇の踏み跡をたどる。 口づけと葡萄酒と死の試練を受けた友を 創造主は我々に与えた 快楽は虫けらのような弱い人間にも与えられ 智天使ケルビムは神の御前に立つ 神の計画により 太陽が喜ばしく天空を駆け巡るように 兄弟たちよ、自らの道を進め 英雄のように喜ばしく勝利を目指せ 抱き合おう、諸人(もろびと)よ! この口づけを全世界に! 兄弟よ、この星空の上に 父なる神が住んでおられるに違いない 諸人よ、ひざまついたか 世界よ、創造主を予感するか 星空の彼方に神を求めよ 星々の上に、神は必ず住みたもう

この曲は日本語の訳詞で歌われることもあり、外部リンクにあるような独自の歌詞が付けられることもある。日本語訳で特に有名なものとしては、尾崎喜八が翻訳したものや、岩佐東一郎が翻訳したものが挙げられる。1980年代に入った頃から、年末にベートーヴェンの第9を歌う“第9ブーム”が日本で定着したが、それに伴って「歓喜の歌」のドイツ語原詩を覚えるためのいろいろなアイデアが考案されている。 作詞家の、なかにし礼は、1987年に日本語の「歓喜の歌・日本語版」を出版し、同年8月に桑名市民会館で初演されたが、その楽譜は現在も音楽雑誌ショパン社から出されており、各地で演奏されて好評を博している。最近では、愛・地球博で演奏された。 1985年に欧州連合が欧州連合賛歌として採用したことに伴い、ラテン語の歌詞が付けられている。

出典:歓喜の歌 ウイキペディア

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