ワーグナー: ワルキューレの騎行 Ride of the Valkyries

指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン Herbert von Karajan
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 Berliner Philharmoniker
1967年3月19日 ザルツブルグ復活祭音楽祭 におけるライブ録音 Salzburg Easter Festival March 19, 1967

『ヴァルキューレ』(ドイツ語: Die Walkure)は、リヒャルト・ワーグナーが1856年に作曲し、1870年に初演した楽劇。台本も作曲者による。『ワルキューレ』の表記もある。ワーグナーの代表作である舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』四部作の2作目に当たる。

『ニーベルングの指環』四部作は、ひとつのプロローグと3日を要する舞台上演と見なすことができ、その「第1日」に当たる本作『ヴァルキューレ』は、「序夜」(『ラインの黄金』)を除く「三部作」の実質的な幕開けに位置づけられる作品である。
四部作はそれぞれ独立した性格を持ち、単独上演が可能である。そのなかで『ヴァルキューレ』は、もっとも人気が高く、上演機会も多い。感動的な愛情表現の場面や、ライトモティーフの使い方が自然かつ巧緻であるなど作曲技法の円熟を理由に、『指環』四部作にとどまらず、ワーグナーの全作品中でももっとも優れたもののひとつとも見なされている。

とくに、第1幕でのジークムントによる「春と愛の歌」(「冬の嵐は過ぎ去り」)、「ヴァルキューレの騎行」として知られる第3幕の序奏、終盤で「ヴォータンの告別」からつづいて「魔の炎の音楽」で幕切れとなる部分はしばしば独立して演奏される。全3幕からなり、上演時間は約3時間40分(第1幕60分、第2幕90分、第3幕70分)。

物語は、『エッダ』、『ヴォルスンガ・サガ』など北欧神話の物語を軸にしつつドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』を始めとするドイツ英雄伝説や、ワーグナー独自の重層的・多義的な世界が構築されている。直接引用されてはいないがギリシア神話の影響も多分に見られる。なお、ヴァルキューレとは、作品中に登場する、神々の長ヴォータンとエルダの9人の娘たちであるが、題名は定冠詞付きの単数形であることから、ブリュンヒルデひとりを指している。

『ヴァルキューレ』の台本は1852年6月、音楽は1856年にそれぞれ完成された。1870年6月26日、バイエルン宮廷歌劇場にて初演。『ニーベルングの指環』四部作全曲の初演は、1876年8月13日から17日まで開催された第1回バイロイト音楽祭においてである。
バイロイト音楽祭では四部作が連続上演される。内訳は以下のとおり。
序夜 『ラインの黄金』 (Das Rheingold)
第1日 『ヴァルキューレ』 (Die Walkure) 本作
第2日 『ジークフリート』 (Siegfried)
第3日 『神々の黄昏』 (Gotterdammerung)

第3幕 「岩山の頂き」
序奏「ヴァルキューレの騎行」の音楽。すぐに幕が開き、音楽に乗って8人のヴァルキューレたちが声を上げながら岩山に集まってくる。

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