チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」第4楽章 Adagio lamentoso(悲しげに)

指揮: ヴァレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev
マリインスキー劇場管弦楽団 Mariinsky Theatre Orchestra

 

チャイコフスキー最後の大作であり、その独創的な終楽章をはじめ、彼が切り開いた独自の境地が示され、19世紀後半の代表的交響曲のひとつとして高く評価されている。

チャイコフスキーは26歳から52歳までの間に12回のうつ病期を経験したという。『悲愴』作曲時には過去を思い浮かべたのか、それとも当時もうつ病を患っていたのか、うつ的な精神状態を曲に反映させているのではないかという説がある。ドイツの精神科医ミューレンダールは、精神病院の入院患者に対して各種の音楽を聞かせるという実験を行なったが、悲愴を流した場合、特に内因性うつ病患者の症状が悪化し、患者によっては自殺しようとしたとのことである。

チャイコフスキー自身は、最終楽章にゆっくりとした楽章を置くなどの独創性を自ら讃え、初演後は周りの人々に「この曲は、私の全ての作品の中で最高の出来栄えだ」と語るほどの自信作だった。

第4楽章 Finale. Adagio lamentoso - Andante - Andante non tanto
本人の決定稿における速度指定はAndante lamentoso
ソナタ形式的な構成を持つ複合三部形式、ロ短調
冒頭の主題は第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが主旋律を1音ごとに交互に弾くという独創的なオーケストレーションが行われている。なお再現部では第1ヴァイオリンにのみ任され、提示部のためらいがちな性格を排除しているのも興味深い。音楽は次第に高潮し、情熱的なクライマックスを形作り、再現部の後は次第に諦観的となりやがて曲は消える様に終わる。

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