ウクライナへのロシア侵略にの立場

チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64 

指揮: ワシリー・ペトレンコ Vasily Petrenko(ロシアのウクライナ侵略を踏まえたロシアの指揮者ペトレンコの動向
   一方、プーチン大統領を、支持している指揮者ゲルギエフへの影響は)
ロシア国立交響楽団 Russian State Symphony Orchestra
Recording: Tchaikovsky Concert Hall, Moscow, 21 December 2015

交響曲第5番ホ短調作品64は、チャイコフスキーの5番目の交響曲。チャイコフスキーの数ある曲中でも交響曲第6番『悲愴』と並ぶ人気曲となっている。
チャイコフスキーは1877年に交響曲第4番を作曲したあと、マンフレッド交響曲を作曲したほかは、交響曲から遠ざかっていた。疲労や曲想の枯渇感があったようである。しかし、1886年にヨーロッパに演奏旅行し、当地で好評を得たことや、マーラーやリヒャルト・シュトラウス、グリーグら作曲家との交流が刺激となり、意欲を取り戻したといわれる。作曲者48歳、1888年の5月から8月にかけて作曲された。
同年11月、作曲者自身の指揮によりサンクトペテルブルクで初演。

第1楽章 Andante - Allegro con anima - Molto piu tranquillo
ホ短調、序奏付きのソナタ形式。序奏はアンダンテ、4/4拍子。冒頭でクラリネットが暗い旋律を吹く。この主題は「運命の動機」ともいわれ、各楽章に現れて全曲の統一感を出している。 主部はアレグロ・コン・アニマ、6/8拍子。弦のザックザックとした行進曲調のリズムに乗って、クラリネットとファゴットが第1主題を出す。哀愁感のある推移主題の後、第2主題はヴァイオリンによる流麗な旋律。リズミカルな小結尾を経て、展開部に入る。展開は第1主題に基づく。型どおりの再現の後、第1主題によるコーダとなり、盛り上がった後暗く重い結末となる。 演奏時間は13.5~18分程度。
第2楽章 Andante cantabile, con alcuna licenza - Moderato con anima - Andante mosso - Allegro non troppo - Tempo I
ニ長調、複合三部形式。短い弦の序奏のあとで鳴らされる主要主題はホルンの美しい調べが印象的。愛らしくもどこか悲しい副主題も美しい。2つの主題が反復された後、中間部にはいると、クラリネットが哀愁を帯びた旋律を示して切迫する。「運命動機」は、中間部のクライマックスと、主部が復帰してコーダに入る直前に激しく出る。 演奏時間は11.5~15分程度。
第3楽章 Valse. Allegro moderato
イ長調、複合三部形式。チャイコフスキーは交響曲第4番の第1楽章で「ワルツのテンポ」を指示しているのだが、ここでは純然たるワルツを採用した。中間部は弦による細かい音型が特徴。この音型に乗ったまま、主部の主題が復帰してくる。「運命動機」はコーダでクラリネットとファゴットに静かに現れる。演奏時間は5~7分程度。
第4楽章 Finale. Andante maestoso - Allegro vivace - Molto vivace - Moderato assai e molto maestoso - Presto
ホ長調 → ホ短調 → ホ長調、序奏付きのソナタ形式。序奏は「運命動機」に基づく。主部はティンパニの連打に導かれ、第1主題は華やかで民族的な香りもある。第2主題は木管により、穏やかながら、やはり行進曲調。コデッタではまた「運命動機」が扱われる。展開部は、弦が第1主題のリズムを刻み、そのうえに第2主題が変奏される。徐々にスピードが落ちたところでいきなり再現部となり劇的に盛り上がり、全休止をはさんで勝利感に満ちたコーダへなだれ込んでいく。ここでは「運命動機」が高らかに奏され、ホ長調6/4拍子に変化した第1楽章の第1主題をオーボエとトランペットが豪快に掛け合って全曲を締めくくる。 演奏時間は11~14.5分程度。

チャイコフスキー:交響曲第5番

inserted by FC2 system