チャイコフスキー:バレエ作品『くるみ割り人形』第1幕 第9曲 雪片のワルツ The Waltz of the Snowflakes

ロイヤル・バレエ団 The Royal Ballet

 

『くるみ割り人形』(露(原題): Щелкунчик, 仏: Casse Noisette, 英: The Nutcracker)は、ピョートル・チャイコフスキーの作曲したバレエ音楽(作品番号71)、およびそれを使用した2幕3場のバレエ作品である。
チャイコフスキーの三大バレエの一つであり、初演から100年以上を経て数多くの改訂版が作られている。ちなみにくるみ割り人形とは、人形の形をした胡桃を割る道具のこと。

チャイコフスキー作曲・プティパ振付で成功を収めた 『眠れる森の美女』(1890年)の次作として、マリンスキー劇場の支配人であったイワン・フセヴォロシスキーはE.T.A.ホフマンの童話 『くるみ割り人形とねずみの王様』 を原作とするバレエを構想し、再度チャイコフスキーに作曲を依頼した。

あらすじ
第1幕
劇場支配人イワン・フセヴォロシスキーによる初演の衣装スケッチ。第2幕“ジゴーニュ小母さんと子供たち” とある王国にて、王子が誕生する。しかし、その場にいた人間がねずみの女王を踏み殺してしまったために王子は呪われ、くるみ割り人形になってしまう。
第1場
クリスマス・イブの夜、ドイツのシュタールバウム家の大広間ではパーティーが行われている。少女クララはドロッセルマイヤー老人からくるみ割り人形をプレゼントされる。ところが、取り合いになり兄のフリッツが壊してしまったので、ドロッセルマイヤー老人が修理する。 客も帰りみんなが寝静まってから、クララは人形のベッドに寝かせたくるみ割り人形を見に来る。ちょうど時計の針が12時を打つ。すると、クララの体は人形ほどの大きさになる(舞台ではクリスマスツリーが大きくなることで表現される)。そこに、七つの頭を持つはつかねずみの王が指揮する、はつかねずみの大群が押し寄せる。くるみ割り人形の指揮する兵隊人形たちがはつかねずみに対し、最後はくるみ割り人形とはつかねずみの王様の一騎打ちとなり、くるみ割り人形あわやというところで、クララがスリッパをはつかねずみの王様に投げつけ、はつかねずみたちは退散する。倒れたくるみ割り人形が起きあがってみると、凛々しい王子になっていた。王子はクララをお菓子の国に招待し、2人は旅立つ。
第2場
雪が舞う松林に2人がさしかかる(雪片の踊り - 雪の精たちのコール・ド・バレエ)

第2幕
お菓子の国の魔法の城に到着した王子は女王ドラジェの精(日本では「こんぺい糖の精」と訳されてきた)にクララを紹介する。お菓子の精たちによる歓迎の宴が繰り広げられる。劇末はクララがクリスマスツリーの足下で夢から起きる演出と、そのままお菓子の国にて終わる演出がある。

全曲の演奏時間は約1時間25分(第1幕約45分、第2幕約40分)である。
序曲 (Ouverture)
第1幕
第1曲 情景 (Scene) 【クリスマスツリー】
第2曲 行進曲 (Marche)
第3曲 子供たちの小ギャロップと両親の登場 (Petit galop des enfants et entree des parents)
第4曲 踊りの情景 (Scene dansante) 【ドロッセルマイヤーの贈り物】
第5曲 情景と祖父の踊り (Scene et danse du Gross-Vater)
第6曲 情景 (Scene) 【招待客の帰宅、そして夜】
第7曲 情景 (Scene) 【くるみ割り人形とねずみの王様の戦い】
第8曲 情景 (Scene) 【松林の踊り】
第9曲 雪片のワルツ (Valse des flocons de neige)

第2幕
第10曲 情景 (Scene) 【お菓子の国の魔法の城】
第11曲 情景 (Scene) 【クララと王子の登場】
第12曲 ディヴェルティスマン (Divertissement) [登場人物たちの踊り]
  チョコレート (Le chocolat) 【スペインの踊り】 [ボレロ]
  コーヒー (Le cafe) 【アラビアの踊り】 [コモード]
  お茶 (Le The) 【中国の踊り】
  トレパック (Trepak) 【ロシアの踊り】
  葦笛 (Les Mirlitons) 【葦笛の踊り】
  ジゴーニュ小母さんと道化たち (La mere Gigogne et les polichinelles)
第13曲 花のワルツ (Valse des fleurs)
第14曲 パ・ド・ドゥ (Pas de deux) 【金平糖の精と王子のパ・ド・ドゥ】
  【アダージュ】   ヴァリアシオン I (Var. I)[タランテラ]
  ヴァリアシオン II ドラジェ(日本では金平糖)の精の踊り (Var.II Danse de la Fee-Dragee)
  コーダ (Coda)
第15曲 終幕のワルツとアポテオーズ (Valse finale et apotheose)

チャイコフスキー バレエ作品『くるみ割り人形』

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