第2曲 行進曲 (Marche)Tempo di marcia viva、ト長調、4分の4拍子(ロンド形式)。A-B-A-C-A-B-Aの形を取る。
第3曲 金平糖の精の踊り (Danse de la Fee Dragee)Andante non troppo、ホ短調、4分の2拍子(複合三部形式)。
タイトルの原題は「ドラジェの精の踊り」だが、日本ではドラジェは一般的でなかったためにこの邦題が定着して現在に至っている。同様に英語圏ではクリスマスのキャンディーである「シュガープラムの精の踊り(Dance of the Sugar Plum Fairy)」となっている。当時、発明されたばかりであったチェレスタを起用した最初の作品として広く知られる。当初、このパートは天使の声と喩えられた珍しい楽器アルモニカ(または別種の「ガラス製木琴」)のために書かれており、後に旅行先でチェレスタと出会ってから楽器指定を変えたことが明らかになっている。なお、チャイコフスキーは初演まで、チェレスタを使用することを公言しなかった。チャイコフスキーはパリから楽器を取り寄せる際、モスクワの業者に送った手紙の中に「他の作曲家、特にリムスキー・コルサコフとグラズノフに知られないように」と言う趣旨のことを書いており、先に使われるのを防ぐ目的があったようである。
第4曲 ロシアの踊り(トレパック) (Danse russe)Tempo di Trepak, Molto vivace、ト長調、4分の2拍子(複合三部形式)。