指揮:パーヴォ・ヤルヴィ Paavo Jarvi
NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団 NDR Elbphilharmonie Orchester
Konzertmitschnitt des Internatialen Musikfests Hamburg vom 7. Mai 2021, Elbphilharmonie Hamburg
Serenade fur Streichorchester C-Dur op. 48
I. Pezzo in forma di Sonatina: Andante non troppo - Allegro moderato 0:06
II. Valse: Moderato. Tempo di Valse 10:02
III. Elegia. Larghetto elegiaco 14:05
IV. Finale. Tema russo: Andante - Allegro con spirito 23:25
弦楽セレナード ハ長調 作品48は、ピョートル・チャイコフスキーが1880年に作曲した弦楽オーケストラのための作品。チャイコフスキーの代表作の一つとして広く親しまれている。この作品は、チャイコフスキーがモスクワ音楽院に着任した時からの親友でチェロ奏者のコンスタンチン・カールロヴィチ・アルブレヒト(英語版)(1836年 - 1893年)に捧げられた。
当時のヨーロッパ音楽について表面的な効果を狙ったものという批判的な感想を持っていたチャイコフスキーが、自身の敬愛するモーツァルトの精神に立ち返る、という意図から書いたものであり、パトロンのフォン・メック夫人へ完成を報告する手紙にも「強い内的衝動によって書かれたもので、だからこそ真の芸術的な価値を失わないものです」と記している。
チャイコフスキーは1880年9月9日(旧暦。グレゴリオ暦では9月21日)付のメック夫人への手紙の中で、交響曲か弦楽五重奏曲の形で新しい曲を書き始めたと報告している。同月25日(新暦10月7日)の手紙ではその曲が「弦楽合奏のための組曲になる」、そして10月10日(新暦10月22日)付けの手紙では上述したように着手から1か月程度で完成したとの報告を行った。その中で組曲ではなくセレナードとこの曲を説明し、出版譜のタイトルはこれを反映している。
初演は1881年10月18日(新暦10月30日)にサンクトペテルブルクで、エドゥアルド・ナープラヴニークが指揮するロシア音楽協会のオーケストラで行われた。ナープラヴニークは初演について「好評で、満場一致の要求でワルツをアンコールした」と述べている。
ハ長調という最も単純明快な調性で書かれ、第2楽章がその属調であるト長調、第3楽章がそのさらに属調であるニ長調、第4楽章の序奏が再びト長調、主部でハ長調に戻るという、五度関係を用いたゆるやかなアーチ状の構成を成している。各楽章にはそれぞれの特徴を端的に表した章題がつけられている。