チャイコフスキー:バレエ作品『くるみ割り人形』"The Nutcracker"

指揮: ヴァレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev
マリインスキー劇場管弦楽団 Mariinsky Theatre Orchestra
Mariinsky Theatre (サンクトペテルブルクのオペラとバレエ専用の劇場)

第1幕 第2幕

 

『くるみ割り人形』(露(原題): Щелкунчик, 仏: Casse Noisette, 英: The Nutcracker)は、ピョートル・チャイコフスキーの作曲したバレエ音楽(作品番号71)、およびそれを使用した2幕3場のバレエ作品である。
チャイコフスキーの三大バレエの一つであり、初演から100年以上を経て数多くの改訂版が作られている。ちなみにくるみ割り人形とは、人形の形をした胡桃を割る道具のこと。

チャイコフスキー作曲・プティパ振付で成功を収めた 『眠れる森の美女』(1890年)の次作として、マリンスキー劇場の支配人であったイワン・フセヴォロシスキーはE.T.A.ホフマンの童話 『くるみ割り人形とねずみの王様』 を原作とするバレエを構想し、再度チャイコフスキーに作曲を依頼した。
筋立てはホフマンの童話に基づくデュマの小説に依拠しており、マリウス・プティパが台本を手掛け、振付も担当する予定であった。しかしプティパはリハーサル直前に病に倒れてしまい、振付は後輩のレフ・イワーノフに委ねられることになった。プティパとフセヴォロシスキーの要求の板挟みになったイワーノフは苦心惨憺して完成させ、初演は1892年12月18日(ユリウス暦では6日)、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場にて行われた。
観客の反応はまずまずであったものの、主題が弱いと考えられたことなどから大成功とまでは言えず、ポピュラーな作品となるまでにはやや時間を要したという。
現在では大きく分けると、1幕の主役であるクララと2幕の主役である金平糖の精を同じダンサーが踊る演出と、クララは子供が演じ金平糖の精は大人が踊る演出の2パターンある。後者では1幕にそのバレエ団のトップダンサーであるプリンシパルは登場せず、プリンシパルが踊るのは2幕の後半のパ・ド・ドゥのみと登場時間の短い演出になる。

全曲の演奏時間は約1時間25分(第1幕約45分、第2幕約40分)である。
序曲 (Ouverture)
第1幕
第1曲 情景 (Scene) 【クリスマスツリー】
第2曲 行進曲 (Marche)
第3曲 子供たちの小ギャロップと両親の登場 (Petit galop des enfants et entree des parents)
第4曲 踊りの情景 (Scene dansante) 【ドロッセルマイヤーの贈り物】
第5曲 情景と祖父の踊り (Scene et danse du Gross-Vater)
第6曲 情景 (Scene) 【招待客の帰宅、そして夜】
第7曲 情景 (Scene) 【くるみ割り人形とねずみの王様の戦い】
第8曲 情景 (Scene) 【松林の踊り】
第9曲 雪片のワルツ (Valse des flocons de neige)

チャイコフスキー バレエ作品『くるみ割り人形』

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