チャイコフスキー: オペラ「マゼッパ」より マリアの子守歌 "Marias Wiegenlied" aus 'Mazeppa'

指揮:佐渡 裕 Yutaka Sado
ソプラノ: アイーダ・ガリフッリーナ Aida Garifullina
Sommernachtsgala Grafenegg 2017. Tonkunstler-Orchester Niederosterreich/Musikalische

『マゼッパ』(ロシア語: Мазепа)は、ピョートル・チャイコフスキーが作曲した、全3幕(6場)から成るオペラ。
作曲は1881年6月から1883年4月にかけて行われた。
リブレット(台本)は、アレクサンドル・プーシキンの物語詩『ポルタヴァ(英語版)』を基に、ヴィクトル・ブレーニン(英語版)が執筆した。

当作品は狂気の愛、融解、政治的迫害、処刑、報復殺人を扱った残忍な筋立てとなっている。舞台は18世紀初頭のウクライナ、主要な登場人物はウクライナ・コサックのヘーチマンであるイヴァン・マゼーパ(1640年頃 - 1709年)と、非常に裕福なウクライナの貴族で政治家のヴァシル・コチュベイ(英語版)(1640年頃?1708年)である。
初演は1884年2月15日にモスクワで行われ、その4日後の同年2月19日にはサンクトペテルブルクでも当地初演を実現させている。
演奏時間は、全曲通しで3時間弱(約2時間57分)となっている《このうち序曲は約6分》。

第3幕 間奏曲: ポルタヴァの戦い、ピョートル大帝がマゼッパとカール12世を打ち破る
(設定場面)戦場の近く、廃墟となったコチュベイの邸宅
アンドレイはポルタヴァの戦いに出兵していたが、マゼッパを見つけ出すことはできなかった。彼は幸せだった頃を思い出しながら廃墟となった邸宅の周りをあてもなく歩いている。馬に乗った一行が近づき、彼は身をひそめる。
マゼッパとオルリクは戦いから逃げ出し、マゼッパはかつて強大な力を誇った自分がある時全てを失って今に至るのだという想いに耽る。彼はオルリクをキャンプ設営に送り出す。アンドレイが飛び出して刀剣でマゼッパに挑みかかるが、マゼッパは自分は武器を持っていると警告する。アンドレイがマゼッパに向けて構えた刀を振った時、マゼッパが彼にめがけて発砲する。
マリヤが到着するも、完全に取り乱している。彼女はマゼッパが誰かわからず、父のいたずらは母が自分に仕向けたただの冗談であると思い込んでいる。しかし彼女は至る所に血痕を認める。マゼッパが彼女を落ち着かせようとし、マリヤは静まりかけたかと思えば彼にうわ言を口走り、続けて彼の顔に血の跡を認める。すると彼女は謝りながら別の誰かだと思っていたと述べる。しかしマリヤが知るマゼッパは白髪だったはずであり、目の前の彼は血まみれである。オルリクが戻ってきて軍隊がこちらへ向かっていると知らせる。マゼッパはマリヤを連れて行こうとするが、オルリクは足手まといになると指摘する。気のふれた女性と自分の頭のどちらが大事なのかというオルリクの忠言に従い、マゼッパはしぶしぶマリヤを残して立ち去る。
マリヤはアンドレイと、彼の身体を覆う血に気付く。血だらけになった周囲の様子を見て泣き出した彼女は、処刑の「夢」のことを思い出す。まだ息絶えていなかったアンドレイが身体を動かすと、マリヤは彼を幼い子どもであると勘違いする。彼はマリヤに最後に顔を見たいからこちらを向いて欲しいと請うが、自分の世界に入っている彼女は彼に子守歌を歌うばかりで、何が起こっているのか、彼が誰なのかも分かっていない。そうこうするうちにアンドレイは彼女に最後の別れを告げて事切れる。マリヤはその亡骸を穏やかに揺すり、遠くを見つめながら子守歌を歌って幕が下りる。

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