指揮:クリスティアン・マチェラル Cristian Macelaru
ケルンWDR交響楽団 WDR Sinfonieorchester Köln
05.11.2021 in der Kolner Philharmonie.
Richard Strauss - Ein Heldenleben op. 40
00:00 Der Held
04:07 Des Helden Widersacher
07:43 Des Helden Gefahrtin
21:51 Des Helden Walstatt
28:52 Des Helden Friedenswerke
36:02 Des Helden Weltflucht und Vollendung
『英雄の生涯』(Ein Heldenleben)作品40は、リヒャルト・シュトラウスが作曲した交響詩。『ドン・ファン』から始まるリヒャルト・シュトラウスの交響詩の最後の作品である。
副題に “Tondichtung fur groses Orchester” (大管弦楽のための交響詩)とあるように、演奏するには105名から成る4管編成のオーケストラが必要となる。またオーケストレーションが頂点に達している曲とも言われ、技術的にもオーケストラにとって演奏困難な曲の一つに数えられており、オーケストラの実力が試される曲としても知られている。
この曲の「英雄」とはリヒャルト・シュトラウス自身を指すと言われているが、作曲者本人は「それを知る必要はない」としており、この曲にプログラムがあることを言明していない。
この曲はベートーヴェンの交響曲第3番『英雄』(エロイカ)と同じ変ホ長調を主調としている。シュトラウスは日記に作曲の進捗を記しているが、そこでは最終的なタイトルを "Ein Heldenleben" と決めるまで、この曲のことを "Eroica" と呼んでいた。友人に宛てた手紙でも「近頃ベートーヴェンの英雄交響曲は人気がなく、演奏されることも少ない」と冗談を言い、「そこで今、代わりとなる交響詩を作曲している」と述べている。またこの曲では、シュトラウスの他の作品からの引用とともに、ベートーヴェンの『英雄』のフレーズも断片的に引用されている。
1898年の8月2日から12月27日にわたって作曲された。ウィレム・メンゲルベルクとアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団に献呈されている。
1899年3月3日、作曲者自身の指揮、フランクフルト・ムゼウム管弦楽団により初演された。
構成
ソナタ形式を基本として作曲されているが、形式的にはかなり自由な形態によっている。曲は6つの部分から成り、切れ目なく演奏される。通常下記のように分けられているが、スコア上には分類及び副題は記されていない。その為、発売されている演奏のCDでのトラックの分け方や副題の表記等も統一されていない。演奏時間は約45分。
1. Der Held (英雄)
2. Des Helden Widersacher (英雄の敵)
3. Des Helden Gefahrtin (英雄の伴侶)
4. Des Helden Walstatt (英雄の戦場)
5. Des Helden Friedenswerke (英雄の業績)
6. Des Helden Weltflucht und Vollendung der Wissenschaft (英雄の隠遁と完成)
なお、曲の最後の部分は、ヴァイオリンとホルンのソロが静かに消え入るように終わる第1稿と、一度金管群の和音で雄大に盛り上がってから終わる第2稿がある。第1稿による演奏は珍しく、ほとんどが第2稿によって演奏されるが、サヴァリッシュ、ハイダー、ファビオ・ルイージは第1稿による録音を残している。