サラサーテ:カルメン幻想曲 Carmen Fantasy 作品25

指揮: クリスティアン・ベンダ Christian Benda
プラハ交響楽団 Prague Symphony Orchestra
ヴァイオリン:ファブリツィオ フォン アルクス Fabrizio Von Arx

ジョルジュ・ビゼー作曲のオペラ『カルメン』に登場するメロディを用いたヴァイオリンの名技性誇示を目的とする作品。パラフレーズに分類される。『カルメン』のメロディを基にした同種の作品は数多いが、その中でも最も有名なものの一つである。正式な題名は『ビゼーのオペラ「カルメン」のモティーフによる演奏会用幻想曲』(Fantaisie de concert sur des motifs de l'opera "Carmen" de Bizet)。序奏と4つの部分から成る。
1. 序奏 Allegro moderato
 オペラの第4幕への間奏曲「アラゴネーズ」の素材を使用。管弦楽による前奏の後、独奏ヴァイオリンに主旋律が現れる。トリル、重音奏法、グリッサンド、フラジオレットなどの技巧が使われ、最後はピッツィカートで静かに終わる。
2. Moderato
 4分の2拍子。弦楽器の伴奏で独奏ヴァイオリンがオペラ第1幕でカルメンが歌う「ハバネラ」を奏す。メロディが繰り返されるごとに装飾性が増していく。
3. Lento assai
 8分の6拍子。第1幕でカルメンが歌う鼻歌「トゥ・ラララ」のメロディを使用。フラジオレットにより静かに終わる。
4. Allegro moderato
 8分の3拍子。この部分も第1幕でカルメンが歌う「セギディーリャ」のメロディが素材となる。ピッツィカート、トリル、 グリッサンドなどが効果的に使用される。
5. Moderato
 4分の3拍子。オペラ第2幕冒頭の「ジプシーの歌」が素材。弱音から始まり、テンポを次第に速め最後は最強音で熱狂的に終わる。

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