サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」から 白鳥

チェロ: ヨーヨー・マ Yo-Yo Ma
ピアノ: キャサリン・ストット Kathryn Stott

組曲「動物の謝肉祭」は、 全部で14曲からなり、元来は室内楽編成用として作曲されたものである。1886年にチェリスト、シャルル・ルブーク(英語版)の催すプライヴェートな夜会のために作曲された。
初演は同年3月9日、オーストリアのクルディムにて、サン=サーンス、ルイ・ディエメのピアノ、シャルル・ルブークのチェロ、ポール・タファネルのフルートなどにより非公開で行われた。その後、同年内に2度非公開で演奏されたが、他の作曲家の楽曲をパロディにして風刺的に用いていること、プライヴェートな演奏目的で作曲されたいきさつなどの理由により、以降サン=サーンスは自身が死去するまで本作の出版・演奏を禁じた。ただし純然としたオリジナルである「白鳥」だけは生前に出版している。

公開初演は作曲者死後の1922年2月25日、ガブリエル・ピエルネ指揮コンセール・コロンヌ管弦楽団によって行われた。その際オーケストラによって演奏されて以降、本作は管弦楽曲として世に知られるようになった。
現在では、プロコフィエフの『ピーターと狼』やブリテンの『青少年のための管弦楽入門』と並ぶ、子供向け管弦楽曲の代表的作品としても人気がある。時に自由な物語を添え、語り付きで演奏することがある。

「動物の謝肉祭」 第13曲「白鳥」 (Le cygne) Andantino grazioso 6/4拍子 ト長調
チェロ独奏曲として有名な曲。生前の公開演奏と楽譜出版が許された唯一の曲でもある。全28小節。

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