サン=サーンス:交響詩 「死の舞踏」"Danse Macabre" 作品40

Arranged for Harpsichord 4 hands  Orchestra version of "Danse Macabre"
ハープシコード四手連弾: Duo A&A (Anna Kiskachi & Anastasia Antonova)
April 2016

『死の舞踏』(Danse macabre)Op.40 とは、カミーユ・サン=サーンスの作曲した交響詩である。サン=サーンスの作曲した4つの交響詩の中では最も有名な曲。なお、ここで言う「死の舞踏」とは、ペストのことを指している。
フランスの詩人アンリ・カザリス (Henri Cazalis) の奇怪で幻想的な詩に霊感を得て、1872年にまずは歌曲として作曲され、1874年に管弦楽曲としてまとめられた。午前0時の時計の音とともに骸骨が現れて不気味に踊り始め、次第に激しさを増してゆくが、夜明けを告げる雄鶏の声が響きわたるや墓に逃げ帰り、辺りが再び静寂につつまれるまでを描写的に描いている。スコアの冒頭には、カザリスの詩から数行が引用されている

カザリスの詩
ジグ、ジグ、ジグ、墓石の上
踵で拍子を取りながら
真夜中に死神が奏でるは舞踏の調べ
ジグ、ジグ、ジグ、ヴァイオリンで
 
冬の風は吹きすさび、夜は深い
菩提樹から漏れる呻き声
青白い骸骨が闇から舞い出で
屍衣を纏いて跳ね回る
 

ジグ、ジグ、ジグ、体を捩らせ 
踊る者どもの骨がかちゃかちゃと擦れ合う音が聞こえよう 
 
静かに!突然踊りは止み、押しあいへしあい逃げていく 
暁を告げる鶏が鳴いたのだ

ト短調、4分の3拍子、ムヴマン・モデレ・ドゥ・ヴァルス(穏やかなワルツのテンポで)。
次に示すように、サン=サーンスの交響詩の中でも特に描写的な要素が強い。

カザリスの詩 サン=サーンスの曲
夜中の12時、死神が墓場に現れる ハープが12回、Dの音を奏でる
死神がヴァイオリンを弾く Solo・VnがAとEsの不協和音で死神らしい雰囲気を表す
骸骨がカチャカチャと踊る 木琴(当時は音楽で用いられることは殆どなかった)を用いる
朝を告げる雄鶏の鳴き声 突然 曲が止んで出てくるオーボエの旋律
そして激しく踊っていた骸骨たちは墓場へ帰り、曲は静かに終わる。

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