レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」Fontane di Roma

指揮:シャルル・デュトワ Charles Dutoit
管弦楽:NHK交響楽団 NHK Symphony Orchestra
2012年12月7日 NHKホール(December 7th, 2012, NHK Hall)

O.レスピーギ作曲:交響詩「ローマの噴水」
(Ottorino Respighi:Symphonic Poem "Fontane di Roma")
00:02 1.夜明けのジュリアの谷の噴水(I.La fontana di Valle Giulia all'alba)
04:40 2.朝のトリトンの噴水(II.La fontana del Tritone alla mattina)
07:09 3.昼のトレヴィの噴水(III.La fontana di Trevi al pomeriggio)
10:41 4.たそがれのメディチ荘の噴水(IV.La fontana di Villa Medici al tramonto)

『ローマの噴水』(伊: Fontane di Roma)P. 106は、イタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギが1916年に作曲した交響詩。日本語表記に際し、「噴水」とは異なる「泉」と訳されることもある。
後に作曲された『ローマの松』(1924年)、『ローマの祭り』(1928年)と共に「ローマ三部作」と呼ばれる。

サンタ・チェチーリア音楽院作曲科の教授に就任したレスピーギは、1913年に出身地のボローニャからローマに移り住み、ここで受けた刺激を元に「ローマ三部作」を作曲した。その第1作である『ローマの噴水』は1916年に作曲された。

スコアの冒頭の序文には次のような説明がある。
「ローマの四つの噴水で、その特徴が周囲の風物と最もよく調和している時刻、あるいは眺める人にとってその美しさが、最も印象深く出る時刻に注目して受けた感情と幻想に、表現を与えようとした。」
従来の交響詩の自由な形式ではなく、古典的な交響曲にみられる4楽章構成をとっており、それぞれは「夜明け」、「朝」、「真昼」、「黄昏」の時間帯と、ローマの名所4箇所の噴水が当てはめられている。なお、4つの部分は連続して演奏される。

レスピーギはかつてロシア帝国劇場管弦楽団の首席ヴィオラ奏者を務めていた時に、ニコライ・リムスキー=コルサコフから作曲の指導を受けており、この作品にはリムスキー=コルサコフの管弦楽法の影響が見られる。
1917年3月11日にアントニオ・グァルニエリの指揮によりローマのアウグステオ学堂において行われた初演の際には評論家の嘲笑を買っていたが、その後、1918年2月11日にアルトゥーロ・トスカニーニがミラノにおいて行った再演が大成功し、その後もっとも有名な交響詩の一例として知られるようになった。
演奏時間は約15分。

第1部 夜明けのジュリアの谷の噴水(伊: La fontana di Valle Giulia all'alba)
ボルゲーゼ荘からパリオリ(イタリア語版)の丘までの間に位置する「ジュリアの谷」の噴水と夜明けの光景が表現されている。具体的にどこの噴水かははっきりしていない。牧歌的な光景にたたずむ夜明けの噴水が描かれ、朝ぼらけの中を家畜が通過する。

第2部 朝のトリトンの噴水 トリトンの噴水(イタリア語版)
バルベリーニ広場のベルニーニ作のトリトンの噴水(イタリア語版)に見られるような、朝の日差しの中で踊るナイアデスとトリトンが描かれている。ホルンは、神々や女神たちがほら貝を吹き鳴らす様を示している。

第3部 真昼のトレヴィの泉 トレヴィの泉。(伊: La fontana di Trevi al pomeriggio)
ネプチューンの新たな勝利を告げる凱旋式に導かれて始まる。

第4部 黄昏のメディチ荘の噴水(伊: La fontana di Villa Medici al tramonto)
『夕暮れのメディチ荘の噴水』と表記される場合もある。よりメランコリーに沈んだようなメディチ荘の噴水の雰囲気を、輝かしい夕焼けが沈んでいく様子とともに描く。

レスピーギ:ローマの噴水

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