ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ Valses nobles et sentimentales

指揮:ニコラス・コロン Nicholas Collon
hr交響楽団 hr-Sinfonieorchester
hr-Sendesaal Frankfurt, 29. November 2019

『高雅で感傷的なワルツ』(フランス語: Valses nobles et sentimentales)は、モーリス・ラヴェルが1911年に作曲したワルツ集。ピアノ独奏曲として作曲され、翌1912年に管弦楽版が作られた。
『優雅で感傷的なワルツ』『高貴で感傷的なワルツ』などの訳題も用いられる。また、『…ワルツ』でなく『…円舞曲』の訳が用いられることもある。

ラヴェル自身はこのワルツ集を、シューベルトのワルツをモチーフとして作曲したものと述べている。
初演は1911年5月9日にパリのサル・ガヴォーにおける独立音楽協会(SMI)の演奏会において、ルイ・オベールのピアノ独奏によって行われた。この演奏会では作曲者の名は伏せられ、演奏後に誰の書いた曲かを当てると言うユニークな企画が催された。その際にこの曲がラヴェルの曲であると見破った聴き手は多かったが、一方でサティやコダーイの作品と勘違いした者も少なくなかった。

管弦楽版は1912年に、ロシアのバレリーナ、ナターシャ・トルハノフからの依頼を受け、バレエ『アデライード、または花言葉』[2]のための楽曲としてわずか2週間で作られた[1]。バレエの初演は4月22日にシャトレ座において、ナターシャ・トルハノフのバレエ団、作曲家本人が指揮するラムルー管弦楽団によって行われ、1914年2月15日には純粋な管弦楽曲としての初演がサル・デュ・カジノ・ド・パリにおいて、ピエール・モントゥー指揮パリ管弦楽団によって行われた。
なお、管弦楽版の日本初演は、1938年9月28日、日比谷公会堂にてヨーゼフ・ローゼンシュトックと新交響楽団が行った。

それぞれに違う表情を見せる7つのワルツと、それらの回想を含む8番目のワルツ(エピローグ)で構成されている。

エピローグ(Epilogue: lent)1.Modere 行進曲風でもあり力強くもある。技巧的にはそこまで難しくはないがそこそこの難しさはある。性格の弱い、ト長調。和音を掴むのが困難なので手の大きい人向き。

2.Assez lent ほとんど無調に聞こえる。ラヴェルならではのトリックである。

3.Modere ト長調。躍動感のある動き的な曲。legerは「軽く、軽やかに」。Modere=モデラート。

4.Assez anime 「十分に活発に。」ほとんど無調。静かな曲。Assez=十分に。

5.Presque lent ゆっくりとした曲。無調。ややホ長調に近い明るい調的なものがあるが、曲の性格的にも弱い。

6.Vif 「活発に」。『夜のガスパール』の「スカルボ」を思わせるスケルツォの性格をもつ、不気味でユーモラスな曲。前進する動的な曲想がスリリングであり、またクレッシェンドが効果的でいかにもラヴェルを思わせる技法である。

7.Moins vif 全曲の動機を受け継いで非常に静かに始まる。まったく時間が止まったような開始だが、やがて劇的に情熱的に盛り上がり、全曲の中で最も規模の大きな盛り上がりを見せる。

8.Epilogue: lent 終曲。非常に静かな曲。

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