ラヴェル:ラ・ヴァルス 仏: La Valse (作曲者自身による2台ピアノ用編曲)

ピアノ:
マルタ・アルゲリッチ Martha Argerich
ネルソン・フレイレ Nelson Freire
Tokyo, October 2003

管弦楽のための舞踏詩『ラ・ヴァルス』(仏: La Valse, Poeme choreographique pour orchestre )は、モーリス・ラヴェルが1919年12月から1920年3月にかけて作曲した管弦楽曲、もしくは作曲者自身によるピアノ2台用やピアノ独奏用の編曲作品。タイトルの「ラ・ヴァルス」とは、フランス語でワルツのことであり、19世紀末のウィンナ・ワルツへの礼賛として着想された。ラヴェルの親友であったピアニスト、ミシア・セール(Misia Sert、1872年 - 1950年)に献呈されている。

原曲に先立ち、2台ピアノ版が1920年10月23日にウィーンにおいて、アルフレード・カゼッラとラヴェルによって初演され、2ヶ月後の1920年12月12日、パリにおいて、原曲の管弦楽版がカミーユ・シュヴィヤール指揮ラムルー管弦楽団によって初演された。
当初意図していた舞踊音楽としての初演は定かではないが、ラヴェルの『自伝素描』によれば、1928年10月の時点でアントワープの劇場とイダ・ルービンシュタインの舞踊団だけが上演していた。オペラ座初演もイダ・ルービンシュタインの舞踊団(振付師はブロニスラヴァ・ニジンスカヤ)によって行われたが、その日付については1928年11月20日と、1929年5月23日の2説がありはっきりしない。

ラヴェルは初版に、次のような標題を寄せている。
渦巻く雲の中から、ワルツを踊る男女がかすかに浮かび上がって来よう。雲が次第に晴れ上がる。と、A部において、渦巻く群集で埋め尽くされたダンス会場が現れ、その光景が少しずつ描かれていく。B部のフォルティッシモでシャンデリアの光がさんざめく。1855年ごろのオーストリア宮廷が舞台である。
この文章が示唆するように、曲はまず低弦のトレモロによる混沌とした雰囲気に始まり、徐々にワルツのリズムとメロディが顔を出す。一旦賑やかにワルツとしての形を整えた後、ゆったりとした新たな主題が出て、いかにもワルツらしい雰囲気を積み重ねていく。
しかし展開が進むに連れて徐々にワルツらしいリズムが崩れ始め、テンポが乱れてくる。転調を繰り返し、リズムを破壊して進み、冒頭の主題が変形されて再現された後、最後の2小節で無理やり終止する。

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