ラフマニノフ:ヴォカリーズ Vocalise 作品34-14

ソプラノ:オルガ・ペレチャッコ Olga Peretyatko
Piano - Pavel Nebolsin
12.24.2022

セルゲイ・ラフマニノフの『ヴォカリーズ』(フランス語: Vocalise)作品34-14は、1915年に作曲・出版されたピアノ伴奏付きの歌曲。 歌詞のないヴォカリーズで歌われる旋律と、淡々と和音と対旋律とを奏でていくピアノの伴奏が印象的である。ロシア語の制約を受けないためもあって、ラフマニノフの数多ある歌曲の中でも、最もよく知られた曲となっている。 また、作曲者自身による管弦楽版をはじめとしてさまざまな楽器のために編曲され広く演奏されており、調性についても原曲の嬰ハ短調のほか、ホ短調、イ短調のものなどがある。

『ヴォカリーズ』の作曲に先立ち、まずピアノ伴奏付きの歌曲集である『13の歌曲集』作品34が1912年に完成し、1913年にグートヘイリ社から出版されていた。 この歌曲集はラフマニノフが1912年2月から文通を始めた若い女性の詩人マリエッタ・シャギニャン に紹介された詩などにより、 同年夏までにイヴァノフカ(ロシア語版)において作曲された。
13曲のうち10曲が当時の有名な歌手(4曲がバス歌手のフョードル・シャリアピン、5曲がテノール歌手のレオニード・ソビノフ、1曲がソプラノ歌手のF.V.リトヴィーン)に献呈されており、残る3曲のうち1曲はシャギニャン、2曲は故人(作曲家ピョートル・チャイコフスキーと、1910年に急逝した女優ヴェラ・コミサルジェフスカヤに捧げられている。

『ヴォカリーズ』は、作品34がいったん完成した後、その後続作品としてモスクワで作曲された。最も古い手書きの草稿には「1915年4月1日」の日付があり、この年に作曲されたものと考えられている。 作品34は『ヴォカリーズ』が終曲として追加されたことにより『14の歌曲集』となった。
1916年2月6日(当時ロシアで用いられていたユリウス暦では1月24日)にモスクワで行われた「クーセヴィツキー・コンサート」において、『ヴォカリーズ』はアントニーナ・ネジダーノヴァのソプラノ、作曲者のピアノ伴奏により初演され、成功を収めた。なお、作品は初演者のネジダーノヴァに献呈されている。

初演が行われた後、ラフマニノフはフォン・ストルーヴェからの提案を受けて、『ヴォカリーズ』を管弦楽用に編曲した。これには、「ソプラノ独唱と管弦楽」による原調の版と、「管弦楽のみ」によるホ短調の版の2種類がある。 その後、アルカディ・ドゥベンスキー(ロシア語版)による「ソプラノと管弦楽」・「弦楽合奏」の2種の編曲、ヘンリー・ウッドによる管弦楽編曲などが行われ、 現在ではピアノ伴奏による器楽ソロやピアノ独奏、果ては無伴奏サクソフォーンのものやテルミンによるものまであり、およそ編曲対象になっていない楽器がないのではないかと思わせるほど、多様な編曲が行われている。

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