ホルスト:組曲「惑星」作品32 より 火星 Mars

指揮:スザンナ・マルッキ Susanna Malkki
BBC交響楽団 BBC Symphony Orchestra
Performed at the Royal Albert Hall, London. 2015

Ⅰ 火星、戦争をもたらす者 Mars, the Bringer of War Allegro
日本では「木星」に次いでよく知られている曲である。第一次世界大戦の頃の作品のため、その時代の空気が反映されていると指摘されることがある。不明確な調性、変則的な拍子など、ストラヴィンスキーの『春の祭典』からの影響が大きいといわれる。再現部の第2主題と第3主題の順序が入れ代わっているが、ソナタ形式に相当する。
「ダダダ・ダン・ダン・ダダ・ダン」という5拍子のリズムを執拗に繰り返す。このリズムは木製のマレットでティンパニ、弦楽器のコル・レーニョとハープで演奏される。
提示部第3主題でのテナーチューバ(ユーフォニアムで演奏されることが多い)のソロが、オーケストラにおけるこの楽器の秀逸な用例としてしばしば言及される。全185小節。

作曲当時太陽系の惑星として知られていた8つの天体のうち、地球を除いた7つの天体(すなわち水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星)に、曲を1曲ずつ割り当てた、全7曲で構成される組曲である。全曲を通した演奏時間は約50分である。各曲の平均は7分弱、最短の「水星」は約4分、最長の「土星」は約10分である。

「火星」と「水星」の位置が入れ替わっていることを例外として、各惑星は軌道長半径上で太陽から近い順番に配列されている。「火星」と「水星」の位置が入れ替わっているのは、最初の4曲を交響曲の「急、緩、舞、急」のような配列にするためだと言われる。もう1つの説明として、黄道12宮の守護惑星に基づくという説がある。黄道12宮を白羊宮(おひつじ座)から始まる伝統的な順番に並べるとその守護惑星は、重複と月・太陽を無視すれば楽章の順序に一致する。その為、冥王星は水星と木星の間に来るべきだとする意見もある。また各楽章(惑星)の順序は、地球から距離の近い順番に配列されているという説もある。

惑星 (組曲) Wikipedia

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