指揮:グスターヴ・ホルスト Gustav Holst
ロンドン交響楽団 London Symphony Orchestra
Recorded 22nd june 1926
火星、戦争をもたらす者
原題:Mars, the Bringer of War
Allegro
日本では「木星」に次いでよく知られている曲である。第一次世界大戦の頃の作品のため、その時代の空気が反映されていると指摘されることがある。不明確な調性、変則的な拍子など、ストラヴィンスキーの『春の祭典』からの影響が大きいといわれる。再現部の第2主題と第3主題の順序が入れ代わっているが、ソナタ形式に相当する。
「ダダダ・ダン・ダン・ダダ・ダン」という5拍子のリズムを執拗に繰り返す。このリズムは木製のマレットでティンパニ、弦楽器のコル・レーニョとハープで演奏される。
提示部第3主題でのテナーチューバ(ユーフォニアムで演奏されることが多い)のソロが、オーケストラにおけるこの楽器の秀逸な用例としてしばしば言及される。全185小節。