エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 作品85 

指揮: エドワード・ガードナー Edward Gardner
ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団 Bergen Philharmonic Orchestra
チェロ: トルルス・モルク Truls Mork

 

エドワード・エルガーのチェロ協奏曲ホ短調作品85は、20世紀のイギリス人作曲家によるチェロ協奏曲の作曲の先駆となった作品であり、ドヴォルザークやシューマンの作品と並んでチェロ協奏曲の中でも有名なものの1つ。エルガー作品の中で最もしめやかで悲嘆に満ちた作品である。すでにシェーンベルクやストラヴィンスキーが活躍していた20世紀初頭に書かれたとは思えないほど非常に旋律的でロマン的な楽曲であるが、第2楽章にスピッカートを多用するなど実験的な要素も見受けられる。

第1楽章 Adagio - Moderato 4/4 →9/8 ホ短調
自由なソナタ形式。冒頭の独奏チェロによる、重音を多用するホ短調の悲劇的なカデンツァで幕を開ける、チェロ協奏曲としては珍しい開始である。このカデンツァは全楽章を支配する重要な要素であり、循環主題のような役割も果たす。主要主題はこのカデンツァから導き出され、展開される。冒頭のカデンツァ及び主題はエルガーが病床にいたことを色濃く反映していると言えよう。

第2楽章 Lento - Allegro molto 4/4 ト長調
第1楽章の冒頭のカデンツァ和音が独奏チェロによってピッチカートで奏され、第2楽章が幕を開ける。独奏チェロはほとんどの部分において、非常に速いスピッカートを奏でる。第1・第2楽章はアタッカで連結されているので、この楽章の終結は第1楽章の終わりを兼ねている。

第3楽章 Adagio 3/8 変ロ長調
悲観的な雰囲気が支配するこの曲には珍しい、伝統的な歌曲形式を持ったアダージョ。しかし、前楽章の悲愴感をぬぐえないでいる。

第4楽章 Allegro - Moderato - Allegro, ma non troppo 2/4 ホ短調
それまでの楽章の要素を統合するフィナーレで、2部形式の非常にコントラストが映える楽章。前半はロンド形式のような構成になっており、軽快な主題が支配する。後半では速度を落とし、終盤では第3楽章の主題も再現される。ごく短いコーダは第1楽章の冒頭部分の再現から始まり、ロンドの主要主題とホ短調の終止和音で激烈に終わる。

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