ブラームス:運命の歌 Schicksalslied 作品54

指揮:フィリップ・ヘレヴェッヘ Philippe Herreweghe
オランダ放送室内フィルハーモニー Radio Kamer Filharmonie
オランダ放送合唱団 Groot Omroepkoor
Concertgebouw Amsterdam 12/9/2010

 

運命の歌」(Schicksalslied)作品54は、ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームスが作曲した合唱と管弦楽のための楽曲である。詩はヘルダーリンの『ヒュペーリオン』による。1868年から1871年にかけて作曲され、1871年10月13日、ヘルマン・レーヴィ指揮によりカールスルーエに於いて初演された。演奏時間は約20分。

全体は明快な二部形式によっており、次のように区分できる
第1部:Langsam und sehnsuchtsvoll(ゆっくりと、極めて憧れをもって)、4/4拍子、変ホ長調…1~103小節 まず、管弦楽による長大な序奏があり、天国的な情景を描く。15小節あたりで一度盛りあがった後、次第に音楽は落ち着いてゆき、17小節目で終止する。そして、29小節目から合唱が始まるが、最初はアルトのみで歌い始める。続いて全合唱が加わり、転調を伴って発展する。 102・103小節目でVIIの和音でこの部分が閉じられ、第二部になだれ込む。

第2部:Allegro(快活に、速く)、3/4拍子、ハ短調…104~379小節 この第2部はさらに三部形式をなし、次の三部分に区分出来よう。
第1群…104~221小節 極めて激しい弦楽器群のトレモロで開始され、第一部の静かで天国的な曲調と鋭く対照している。それに乗って合唱がユニゾンで激しく歌う。減七の和音を効果的に使い、発展する。次第にダイナミクスが抑えられ、ピアニッシモになったところで第二群に入る。
第2群…194~273小節 第2群は第1群においてユニゾンで歌われていた主題が対位法的に発展し、フガートを形成している。そこからわずかずつであるが音楽が緊張感を増し、再び第2部冒頭の激しい主題に戻る。
第3群…274~379小節 この部分は再び第2部最初の極めて激しい弦群のトレモロの主題が再現される。ここでも、この主題が発展し、頂点を迎えた後徐々に音楽はピアノに向かい、Cのユニゾンに終止し、次の部分に入る。

コーダ:Adagio(ゆっくりと)、4/4拍子、ハ長調…380~409小節 この部分においては、もはや合唱はまったく登場しない。第1部の天国的な憧憬を含んだ序奏が、今度はハ長調で管弦楽によって歌われ、全管弦楽の弱奏で曲を閉じる。

運命の歌 (ブラームス)

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