ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 作品77 より 第2楽章 Adagio ヘ長調

指揮: パーヴォ・ヤルヴィ Paavo Jarvi
ブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団 Die Deutsche Kammerphilharmonie Bremen
ヴァイオリン: ジャニーヌ・ヤンセン Janine Jansen

ブラームスのヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77(Violinkonzert D-Dur op.77)は、1878年に作曲されたヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲。
ブラームスは幼時からピアノよりも先にヴァイオリンとチェロを学び、その奏法をよく理解してはいたが、最初の、そして唯一のヴァイオリン協奏曲を書き上げたのは45歳になってからだった。これは、交響曲第2番の翌年という、彼の創作活動が頂点に達した時期にあたり、交響的な重厚な響き、入念な主題操作、独奏楽器を突出させないバランス感覚、いずれもブラームスの個性が存分に表現された名作となった。本作品は、ベートーヴェンの作品61、メンデルスゾーンの作品64と並んで『3大ヴァイオリン協奏曲』と称されている。

第2楽章 Adagio ヘ長調、三部形式。
管楽器による合奏で始まり、オーボエが美しい主題を奏でる。サラサーテがこの作品の出版譜をブラームスから贈られながら、それでも演奏しない理由として「オーボエが旋律を奏でて聴衆を魅了しているというのに、自分がヴァイオリンを持ってぼんやりそれを眺めていることに我慢がならない」と語ったと言われる魅惑的な旋律である。独奏ヴァイオリンがこの旋律を引き継ぎ装飾的に奏でた後、経過句に入り中間部へ移る。中間部はヴァイオリンが憧れを切々と訴える「ヴァイオリンによるコロラトゥーラのアリア」と評される部分である。主部に戻ると再びオーボエが旋律を歌うが、時折中間部の動機が聞こえ、平穏のうちに終わる。

ブラームス:ヴァイオリン協奏曲

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