ブラームス:交響曲 第2番 ニ長調 作品73

指揮: クルト・マズア Kurt Masur
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 Gewandhausorchester Leipzig

 

ヨハネス・ブラームスの交響曲第2番ニ長調作品73(原語(ドイツ語)表題:Symphonie Nr. 2, D-Dur op.73)は、1877年に作曲された。緊密な構築性や劇的な性格が前面に打ち出された第1交響曲に対して、これとは対照的に伸びやかで快活な雰囲気を示す。第1交響曲という難産を果たしたブラームスの、当時のリラックスした気分が反映されているとも考えられている。同時に、よどみなく流れる曲想のように見えながら、構成的にも統一が見られ、音楽の表情は単純でない。第1楽章の牧歌的な響きから、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」にたとえられ、「ブラームスの『田園』交響曲」と呼ばれることもある。
演奏時間 約45分(第一楽章の繰り返しを含む

第1楽章 Allegro non troppo ニ長調、3/4拍子。ソナタ形式(提示部反復指定あり)。
冒頭に低弦が奏するD-C♯-D(ニ-嬰ハ-ニ)の音型が全曲を統一する基本動機となっている。ホルンが牧歌的な第1主題を出し、木管がそれに応える。ヴァイオリンが基本動機に基づく明るい旋律を歌う経過句ののち、チェロが落ち着いた感じのやや愁いを帯びた第2主題を奏する。ここではヴィオラがチェロより低い音程で旋律に参加しているのがブラームスらしい。コデッタはイ長調で歯切れのいいもので、さらに第2主題が続いて提示部を閉める。提示部には反復指定があるが、あまり実行されない。展開部では、主として第1主題を扱い、経過句や基本動機も加わる。第1主題に基づくトロンボーンの威嚇的な響きが次第に高まってクライマックスを築く。緊張が緩んだところで再現部となる。コーダでは、独奏ホルンや弦楽の幻想的な響きが聴かれ、木管が基本動機に基づくあどけない表情の旋律を示し、次第に弱くなって結ばれる。「沈みゆく太陽が崇高でしかも真剣な光を投げかける楽しい風景」(クレッチマー)と表現されることもある。

第2楽章 Adagio non troppo ロ長調、4/4拍子。自由なソナタ形式。
チェロがロ長調ながら物憂い表情の第1主題を奏し、ファゴットが対位法的に絡む。経過部ではホルンの孤独な響きが聴かれ、木管が引き継ぐ。さらに第2ヴァイオリンの経過主題が続く。第2主題は嬰ヘ長調、12/8拍子となり、木管が切分音を用いた浮遊感のある旋律を吹く。弦が基本動機を含むコデッタ主題を奏すると興奮して悲劇的に高まる。そのまま経過的な短い展開部に入る。ここでは転調を重ねながら第1主題とコデッタ主題を中心に扱う。第1主題が戻ると再現部。第1主題が変奏され、ヴァイオリンが詠嘆的に歌う、その間をヴィオラ・チェロと木管が上行と下行を掛け合う美しいエピソードとなる。ホルンの経過句が続き、さらにヴァイオリンの経過主題で劇的に高まる。第2主題の再現は省略され、すぐにコデッタ主題が示され、そのままコーダに入り、最後は第1主題の断片が木管、ヴァイオリンが受け継いでティンパニが残り、静かに結ばれる。

第3楽章 Allegretto grazioso ト長調、3/4拍子。
ABABAの形式で間奏曲とスケルツォが合体したような構成を取っている。Aはチェロのピチカートに乗ってオーボエが吹く愛らしい主題。基本動機の反行形である。Bは2/4拍子でテンポが速くなるが、主題自体はAの変奏で弦がせかせかと奏する。二つめのBは3/8拍子に変えられている。

第4楽章 Allegro con spirito ニ長調、2/2拍子。ソナタ形式。
基本動機に基づく第1主題が弦の弱音で示され、木管も加わるが途切れそうになる。直後に全管弦楽の爆発的な歓呼で確保される。律動的で喜ばしい経過ののち、ヴァイオリンとヴィオラが穏やかだが情熱を秘めた第2主題を歌う。この主題も基本動機によっている。展開部に入ると賑々しくなるが、やがて収まって第1主題が弱音で再現する。コーダでは、第2主題の動機が金管で繰り返されて高揚し、歓呼に次ぐ歓呼で全曲が結ばれる。

ブラームス:交響曲第1番

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