ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 作品51-1

ナヴァッラ弦楽四重奏団 Navarra String Quartet
バンフ国際弦楽四重奏コンクール Banff International String Quartet Competition 2013

弦楽四重奏曲第1番ハ短調op.51-1は、ヨハネス・ブラームスの発表した、最初の弦楽四重奏曲である。弦楽四重奏曲第2番イ短調op.51-2と同時に1873年に発表された。これらの2曲は著名な外科医でありアマチュアの音楽家であった親友テオドール・ビルロートに捧げられている。 しかし音楽上の助言はブラームスの友人ヨーゼフ・ヨアヒムから多くを受けている。

ブラームスは自己批判が強く完璧主義で、自分の曲を発表するにあたり大変慎重だったため、交響曲1番の作曲に20年以上の歳月をかけていることは有名である。弦楽四重奏においても同様に慎重を重ね、同時に発表された最初の2曲には最低8年間の歳月を要しているうえ、その前にも20曲を越える習作が書いては破棄されている。それも最初の2曲を発表した2年後に3番を発表したあと、弦楽四重奏曲を書いていないため、室内楽曲を多く残したブラームスにしては、弦楽四重奏曲はわずか3曲しか残されていない。ブラームスは、先人ベートーヴェンの残した16曲の弦楽四重奏曲を敬いつつも、その偉大さから受ける重圧には悩まされなければならなかったのである。

ベートーヴェンの重圧を感じずに済んだピアノ付きの室内楽曲や、若い頃から筆がすすみ、弦楽六重奏曲・弦楽五重奏曲各2曲に比べ、弦楽四重奏曲の3曲は地味な感は否めない。それでも有名残された3曲は、室内楽の大家らしくいずれも佳作ぞろいであり、ロマン派の弦楽四重奏曲として重要な位置を占めている。

曲の構成
同じハ短調の交響曲1番(この弦楽四重奏曲の3年後に完成)同様、劇的で力強い構成を持っている。演奏時間は30分ほどである。
第一楽章 Allegro (ハ短調)
第二楽章 Romanze: Poco Adagio (変イ長調)
第三楽章 Allegretto molto moderato e comodo (ヘ短調)
第四楽章 Allegro (ハ短調)

弦楽四重奏曲第1番ハ短調op.51-1は、ヨハネス・ブラームスの発表した、最初の弦楽四重奏曲である。

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