ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 作品34  アンコール 第3楽章 Scherzo: Allegro

ピアノ:アナスタシア・インジュシナ Anastasia Injushina
ボロディン弦楽四重奏団 Borodin Quartet

ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34は、ヨハネス・ブラームスが1864年に作曲した作品。
当初の版は弦楽五重奏(ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ2)として1862年に作曲された。しかしこれは試演の際に評価を得られず、ブラームスにはよくあることだが、この版は破棄され出版もされなかった。
その代わりに、2台のピアノのためのソナタとして1864年に書き換えられ、ブラームス本人がカール・タウジヒとともに同年に初演した。この版はブラームス自身も気に入っていて、後に作品34bとして1871年に出版された。現在でもこの版はしばしば演奏されている。

上記の初演の後に周囲の助言を容れてピアノ五重奏曲として同年に書き直し、これが作品34として1865年に出版された。
これはサロンを通じて親交があったヘッセン方伯家の公子妃マリア・アンナに献呈された。彼女はその返礼として、モーツァルトの「交響曲第40番」の自筆譜をブラームスに送った。ブラームスはこの楽譜を生涯にわたって愛蔵した。
この曲の両端楽章は和声法においてブラームスとしては冒険的であり、落ち着かない印象を醸し出す。このことは、終楽章の序奏において半音階で上行していく音型にとりわけ当てはまっている。

弦楽四重奏(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)とピアノのために作曲されている。
Ⅰ.アレグロ・ノン・トロッポ Allegro non troppo ヘ短調、4分の4拍子
Ⅱ.アンダンテ、ウン・ポコ・アダージョ Andante, un poco adagio 変イ長調-ホ長調、4分の3拍子
Ⅲ.「スケルツォ」。アレグロ Scherzo: Allegro ハ短調-ハ長調、8分の6拍子-4分の2拍子
Ⅳ.「フィナーレ」。ポコ・ソステヌート~アレグロ・ノン・トロッポ~プレスト、ノン・トロッポ Finale: Poco sostenuto - Allegro non troppo - Presto, non troppo ヘ短調、2分の2拍子-4分の2拍子-8分の6拍子

ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34(ヨハネス・ブラームス)

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