ビゼー:「アルルの女」第1組曲 & 第2組曲

指揮: ナタリー・シュトゥッツマン Nathalie Stutzmann
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 Royal Stockholm Philharmonic Orchestra
Recorded at Stockholm Concert Hall, October 2014.

『アルルの女』(L'Arlesienne)は、ドーデの短編小説、およびそれに基づく戯曲。その上演のためジョルジュ・ビゼーが1872年に全27曲の付随音楽を作曲しており、ここから編まれた2つの組曲が広く知られている。

第1組曲
第1組曲はビゼー自身が通常オーケストラ向けに編成を拡大して組曲としたものである。劇付随音楽が初演された直後の1872年11月10日に初演されて成功を収めた。
第1曲 Prelude 0:21「前奏曲」劇音楽No.1 序曲から。3部構成。
第1部の主旋律は、プロヴァンス民謡「3人の王の行列」に基づく。第2部のアルト・サクソフォーンによる旋律は、フレデリの弟の知的障害を表す動機によっている。第3部は、フレデリの恋の悩みを表している。
第2曲 Minuet 6:51「メヌエット」劇音楽No.17 間奏曲から。
第3曲 Adagietto 9:58「アダージェット」劇音楽No.19 メロドラマの中間部から。
第4曲 Carillon 13:36「カリヨン」
劇音楽No.18 導入曲および No.19 メロドラマ前後部から。
ビゼーは「アダージェット」に使わなかった部分を中間部に置く三部形式に構成し直している。
第2組曲
第2組曲は、ビゼーの死後の1879年に彼の友人エルネスト・ギローの手により完成された。ギローは管弦楽法に長けており、「アルルの女」以外の楽曲も加えて編曲した。
第1曲 Pastorale 17:41「パストラール」劇音楽No.7 導入曲および合唱から。
もともと二部に分かれていた曲を、ギローは三部形式に構成し直している。
第2曲 Intermezzo 23:29「間奏曲」劇音楽No.15 導入曲から。
中間部のアルト・サクソフォーンによる敬虔な旋律は、『神の子羊』という歌曲としても歌われた。
第3曲 Minuet 28:39「メヌエット」
アルルの女といえば、 この曲と連想されるほど有名な曲であるが、 実はビゼーの歌劇『美しきパースの娘』の曲をギローが転用、編曲したものである。フルートとハープによる美しい旋律が展開される。
第4曲 Farandole 33:02「ファランドール」劇音楽No.21
ファランドールなどからギローが終曲として構成。 プロヴァンス民謡「3人の王の行列」(短調)に基づく旋律とファランドールが組み合わされ、熱狂的なクライマックスを築き上げる。「ファランドール」の軽快な旋律は、民謡「馬のダンス」(長調)に基づく。

楽器編成
通常の二管編成(ただしサクソフォーンが加わる)に拡大され、金管楽器が大幅に追加されている。またハルモニウムは省かれ、ハープが追加されている。

フルート2(第2では持ち替えでピッコロ1)、オーボエ2(持ち替えでコーラングレ1)、クラリネット2、ファゴット2、アルト・サクソフォーン1、ホルン4(第2組曲の間奏曲では3・4番ホルンにヴァルヴ付きが指定されている)、コルネット2、トランペット2(省略可。ただしその場合、第1・第2組曲の2つのメヌエットにおけるトランペット・パートはコルネットで代用すること)、トロンボーン3、ティンパニ、スネアドラム(第1のみ)、シンバル、バスドラム、プロヴァンス太鼓(以上第2のみ)、ハープまたはピアノ、弦五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス:それぞれ通常の人数)

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