シューマン:幻想小曲集 "Fantasiestücke" 作品12 第7曲-第8曲

ピアノ: クリスティアン・ツァハリアス Christian Zacharias

幻想小曲集(Fantasiestucke)作品12は、ロベルト・シューマンが1837年に作曲した、8曲からなるピアノ曲集。タイトルの通り、一つ一つの曲は幻想的な情緒に満ちており、それぞれに文学的な標題が付けられている。

第7曲 夢のもつれ(Traumes Wirren) ヘ長調
Auserst lebhaft(極めて速く; Vivacissimo)音はきわめて速く、軽やかに鍵盤上を駆け巡る。それは一時の夢を見ているようである。その弾きにくさからしばしば「指のもつれ」と揶揄される。中間部は変ニ長調のコラールとなり、下属調の変ト長調で主題再現、半音下のヘ長調に戻る。

第8曲 歌の終わり(Ende vom Lied) ヘ長調
Mit gutem Humor (適度なユーモアをもって; Con buon umore)『クライスレリアーナ』でも見られるように、シューマンは曲集の最後でたびたびユーモアを用いた。オクターブが折り重なって音楽ができあがっていく様を、シューマン自身は「結婚式と葬式の鐘が入り混じって聞こえてくる」と表現した。コーダは瞑想的なコラールとなり、静かに鐘の余韻が響いて終わる。

シューマン:幻想小曲集 作品12

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