シューマン:二重唱「秋の歌」"Herbstlied " 作品43

テノール: ペーター・シュライアー Peter Schreier
バリトン:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ Dietrich Fischer-Dieskau
ピアノ: クリストフ・エッシェンバッハ Christoph Eschenbach

  

ロマン派の歌曲の歴史の中で、シューマンはきわめて重要な役割を果たしている。 ブリオンによれば、シューマンはロマン派の憧れそのものを、またそのもっとも本質的な特徴を体現しており、彼の歌曲は、モーツァルトを除いては他のいかなる作曲家も及ばぬこの上ない調和を達成しているとしている。 日本の音楽評論家横溝亮一(1931年 - 2015年)は、「シューマンの歌曲は詩と音楽の香気あふれる合一である」と述べている。 また、ウォーカーは、「もし、シューマンが歌曲しか書かなかったならば、彼はより大家と目されただろう」と述べている。

1840年だけでシューマンは120曲以上、生涯を通じては270曲以上の歌曲を作曲した。 形式面では、変化有節形式と通作形式が目立って多く、いくつかの歌曲集では、テーマ的な関連性を織り込む試みをなしとげている。 また、歌曲において従来は伴奏でしかなかったピアノの地位を向上せしめた。シューマンの歌曲では、ピアノは歌に対して対等であり、ときには作品を支配する役割を担っている。例えば、『詩人の恋』(作品48)の終曲は充実した独奏ピアノによって閉じられる。 このため、シューマンの歌曲は「歌声部の伴奏を持つピアノ曲」といわれることもある。

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