シューベルト:歌曲集「冬の旅」"Die Winterreise" 作品89 D 911 第1曲 ~ 第3曲

バリトン: ハンス ホッター Hans Hotter
ピアノ: ジェラルド ムーア Gerald Moore

1. おやすみ Gute Nacht
冬の夜、失恋した若者は、恋人の住んでいる町から去っていく。若者は恋人とすごした春の回想にふけるが、今は冷たい雪に覆われた冬。若者は自分がただのよそ者であると感じ、あてもない旅に出ようとする。恋人の家の扉に「おやすみ」と書き残し、旅に出る。 「冬の旅」全曲の序曲ともいうべき曲で、この曲全体に貫かれている歩行のリズムがきわめて印象的である。この曲についての解釈で、非常に見解が分かれる点が一つあり、この若者が出ていくのは、恋人の住んでいる家から、なのか、恋人が住んでいる家の前を通った時に、「おやすみ」と記したのか、という点である。しかし、評論家の梅津時比古が指摘しているように、通りかかった時では、長調に転調してからの「君の眠りを妨げないように/そっと、そっと扉を閉めよう」の意味がわからなくなり、恋人の住む家から出ていく、と解するのが妥当ではないかと思われる。

2. 風見の旗 Die Wetterfahne
恋人の家の風見の旗が揺れている。風に翻る旗に恋人の嘲笑が重なり、全ての破局の原因は恋人の不実に満ちた裏切りにあったことに今更ながら気付く。 荒々しい、オクターヴの伴奏が印象的な曲。

3. 凍った涙 Gefrorne Tranen
涙が頬を伝わり、自分が泣いていることに気づき、心情を歌う。 巧みな転調が印象的である。

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