シューベルト:歌曲集「冬の旅」"Die Winterreise" 作品89 D.911から
第1曲 おやすみ Gute Nacht

バリトン:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ Dietrich Fischer-Dieskau
ピアノ:アルフレッド・ブレンデル Alfred Brendel

  

1. おやすみ Gute Nacht
冬の夜、失恋した若者は、恋人の住んでいる町から去っていく。若者は恋人とすごした春の回想にふけるが、今は冷たい雪に覆われた冬。若者は自分がただのよそ者であると感じ、あてもない旅に出ようとする。恋人の家の扉に「おやすみ」と書き残し、旅に出る。 「冬の旅」全曲の序曲ともいうべき曲で、この曲全体に貫かれている歩行のリズムがきわめて印象的である。この曲についての解釈で、非常に見解が分かれる点が一つあり、この若者が出ていくのは、恋人の住んでいる家から、なのか、恋人が住んでいる家の前を通った時に、「おやすみ」と記したのか、という点である。しかし、評論家の梅津時比古が指摘しているように、通りかかった時では、長調に転調してからの「君の眠りを妨げないように/そっと、そっと扉を閉めよう」の意味がわからなくなり、恋人の住む家から出ていく、と解するのが妥当ではないかと思われる。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%AC%E3%81%AE%E6%97%85
inserted by FC2 system