シューベルト:交響曲 第7番 ロ短調 D 759 「未完成」第1楽章 Allegro Moderato

指揮: マルコ・グイダリーニ MARCO GUIDARINI
中央ヨーロッパ管弦楽団 Mitteleuropa Orchestra

第1楽章 第2楽章

交響曲第7番は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトの作曲した7番目の交響曲であるが、シューベルトの後期の交響曲は何度も番号が変更されており、『交響曲第7番』が示す曲もその都度変化している。

D 759(ロ短調)→新シューベルト全集における第7番。旧第8番。『未完成交響曲』ロ短調。1978年のヴァルター・デュル(ドイツ語版)、アルノルト・ファイル(ドイツ語版)らによるドイチュ番号改定により、自筆譜のままで演奏できるという意味で完成されていると認められる交響曲の7番目のものであることから第7番とされ、テュービンゲンの「国際シューベルト協会」(Internationale Schubert-Gesellschaft e.V.)をはじめ多くの楽譜出版社がこれに従った。

交響曲は通常4つの楽章から構成され、その最も典型的な形が「運命」や「新世界」などに見られるアレグロ・ソナタ - 緩徐楽章 - スケルツォ - フィナーレ という形式である。シューベルトも当初はそのようなものを構想して、この交響曲ロ短調の作曲を進めていったのであろうと考えられる。しかし、シューベルトは第2楽章まで完成させ、スケルツォ(第3楽章)をスケッチまでほぼ仕上げながら、そこで作曲を中止してしまった。このような経緯により交響曲ロ短調D759は、第2楽章までしかない未完成交響曲となってしまったのであった。

第1楽章 Allegro moderato ロ短調、4分の3拍子。
冒頭からロ―嬰ハ―ニの有名な動機が現れる。単に序奏というのではなく楽章の最後まで執拗に支配している。木管の甲高い第1主題を弦楽が支えながら第2主題に入る。通常のソナタ形式であれば、短調の第1主題に対して3度上の平行長調でニ長調書かれる第2主題が、ここでは逆に3度下のト長調で書かれている。この調性関係は、ベートーベンの第9交響曲の第1楽章と同じである。第2主題では、伸びやかなチェロがシンコペーションに乗って歌われる。展開部は序奏を発展させる形のもの。半音階ずつ転調を繰り返す。再現部では、第2主題は提示部とは逆の3度上のニ長調で再現される。

シューベルト:交響曲 未完成

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