シューベルト:ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D 958

ピアノ(YAMAHA)演奏:ジェローム・ローズ Jerome Rose

0:17 Allegro
10:39 Adagio
17:42 Menuetto - Allegro
20:35 Allegro

作曲者最晩年のピアノソナタ3部作のひとつであり、第19番、第20番、第21番は1828年9月に制作された。いずれもベートーヴェンを意識しながら、和声進行に作曲者固有の豊かさを持っているが、この先がないと言う危機感をも感じさせる大作群。
シューベルトは3部作のソナタをヨハン・ネポムク・フンメルに献呈するつもりだったが、1837年にフンメルが亡くなったために1839年にこれらを出版したアントン・ディアベリは献呈先をロベルト・シューマンに変更した。

第1楽章 アレグロ ハ短調、4分の3拍子、ソナタ形式。
半音階的に上昇する力強い第1主題は創作主題による32の変奏曲に、厳粛な平行調の第2主題は悲愴ソナタに類似している。しかし展開部の幻想的な音形、4分の3拍子という舞踊性は先人の影響を脱しようという意図が明らかである。
第2楽章 アダージョ 変イ長調、4分の2拍子、ロンド形式。
やはりベートーヴェンの悲愴ソナタの中間楽章に似た穏やかな楽章。自由な転調は遠隔調ホ長調に至るなどロマン派の和声を備えている。
第3楽章 メヌエット (アレグロ) - トリオ ハ短調 - 変イ長調、4分の3拍子。
右手オクターブ奏法を左手が支える簡単な楽章。
第4楽章 アレグロ ハ短調、8分の6拍子、ロンドソナタ形式。
提示部を繰り返さない(シューベルト最後期のフィナーレに固有の)ロンドソナタ形式のタランテラ。終楽章にタランテラを配置するのは弦楽四重奏曲第14番『死と乙女』の前例があるが、その中にリート形式の嘆きの歌が現れる。。

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