シューベルト:楽興の時 Moments Musicaux 作品94 D.780 第3番, 第4番 & 第5番

ピアノ演奏: クラウディオ・アラウ Claudio Arrau

第3番 ヘ短調
4分の2拍子。6曲中最も知られている。シューベルトの存命中から愛好され「エール・リュス」(ロシア風歌曲)として有名であった。三部形式で左手の単調な伴奏を背景に右手が重厚な和音を歌う。NHKラジオ放送「音楽の泉」の主題曲としてもおなじみ。編曲次第では野卑な感じを与える。映画「カルメン故郷に帰る」でも用いられた。レオポルド・ゴドフスキーがこの曲をより複雑にした編曲を残している。

第4番 嬰ハ短調
4分の2拍子。右手の無窮動風の旋律を左手の単調な伴奏が支える構図である。しかしスタッカート奏法で右側ペダルを使わない個所が多く、演奏には訓練が必要である。中間部は変ニ長調の伸びやかな部分。エンハーモニックな転調が多い。

第5番 ヘ短調
4分の2拍子。行進曲風の進撃的な主題。途中は転調が激しく扇情的に進行する。

シューベルト:楽興の時

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