シューベルト:3つのピアノ小品 Drei klavierstücks D.946

ピアノ: マウリツィオ・ポリーニ Maurizio Pollini

3つのピアノ曲(原題:Drei klavierstucks)D946は、フランツ・シューベルトの死の年1828年の作品。死後忘れ去られていたが、ブラームスがその価値を認め、「3つのピアノ曲」と特徴のない題名をつけて1868年に出版している。
ほぼ複合三部形式・ロンド形式であるが、作曲者本人は冗長と考えて割愛しようとしている箇所もブラームスは忠実に出版している。このためレントラー・ワルツなどのほかの作品と同様に接続曲風の小品として演奏者によって解釈が分かれている。もっともこうした背景があるため親しみやすい作品として国内では比較的紹介される機会が多い。

第1曲 Allegro assai 変ホ短調。
情熱的なタランテラの主題。反復の際に単調にならないように,同主調に転じている。中間にロ長調の音階が華やかな部分を取り入れている。また変イ長調の長三度和声による詠嘆的な部分もあるが、作者は省略されることを希望している。

第2曲 Allegretto 変ホ長調。
主題は落ち着いた平易なもの。中間部は変イ短調の清澄な部分。

第3曲 Allegro ハ長調。
シンコペーションを取り入れた素朴で活発な主題。中間部は変ニ長調で2分の3拍子。調の選択はショパンのマズルカOp.24と同様である。

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