シューベルト:歌曲集「冬の旅」"Winterreise" 第11曲 《春の夢》 "Fruhlingstraum”

バリトン:ゲルハルト・ヒュッシュ Gerhard Hüsch

【歌詞訳】

色とりどりの花の夢を見た
五月に咲くような花の夢を。
緑の草原の夢を見た
楽しげに小鳥がさえずる草原の。

すると雄鶏が鳴いて
僕は目を覚ました
そこは寒くて暗くて
カラスが屋根で鳴きわめいていた

しかし、あの窓ガラスに
誰が葉っぱなんか描いたんだろう?
さてはお前たち、僕を笑っているな
冬に花を見たんだって?と。
愛にあふれた夢を見た
美しい娘と
抱擁と口づけと
喜びと幸福の夢を。

すると雄鶏が鳴いて
僕の心が目覚めた
今、僕はここにひとり座り、
夢について思い返している。

僕はまた目を閉じてみたが、
今なお胸が熱くドキドキしている
いつ窓の葉っぱが緑になるのだろう?
いつ恋人を僕の腕に抱けるのだろう?
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