シューベルト:歌曲「夜と夢」"Nacht und Träume" 作品43-2 D.827

バリトン:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ Dietrich Fischer-Dieskau
ピアノ: ジェラルド・ムーア Gerald Moore

『夜と夢』(Nacht und Traume)作品43-2、D827は、オーストリアの作曲家フランツ・シューベルトが1825年頃作曲した歌曲。マテウス・フォン・コリンの詩による。

シューベルト版『夢のあとに』(ガブリエル・フォーレの歌曲)と呼んでもよい内容の作品で、過ぎ去った美しい夜と夢に対する限りない憧憬を歌った、シューベルトのあらゆる歌曲の中で最も美しい曲の一つ。
ロ長調で始まりきわめてゆっくりとしたピアノの刻みの上に、歌声部が極めて美しい旋律を歌う。この刻みを美しく響かせるのは至難の技で、20世紀を代表する歌曲ピアニスト、ジェラルド・ムーアは最も難しい曲のひとつ、と述べている。また、歌い手にとっては、限りなく続くレガートを保つための、高度なブレス・コントロールを要求される難曲である。
中間部でト長調(ロ長調の六度の準固有和音調)への急激な転調があり、大きく感情が動くが、最初の静けさが戻って、美しく全曲を閉じる。

シューベルト:歌曲「夜と夢」

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