メンデルスゾーン:交響曲 第3番 「スコットランド」 "Scottish" イ短調 作品56

指揮: ラモン・ガンバ Rumon Gamba
ガリシア交響楽団 Sinfonica de Galicia (Spanish orchestra, created in 1992 and based in A Coruna

 

交響曲第3番イ短調『スコットランド』(「スコットランド」 ドイツ語: Sinfonie Nr. 3 in a-Moll op. 56, Schottische MWV N 18)はフェリックス・メンデルスゾーンが1830年から1842年にかけて作曲した交響曲。作品番号56。メンデルスゾーンが完成させた最後の交響曲である。 「第3番」の番号は出版順による。これより早い時期に作曲された第4番「イタリア」、第5番「宗教改革」の両曲はメンデルスゾーンの死後に出版された。
スコットランド」という標題は、メンデルゾーンがこの曲を着想したのがスコットランド旅行中だったことによる。

第1楽章 アンダンテ・コン・モート イ短調 3/4拍子 - アレグロ・ウン・ポコ・アジタート イ短調 6/8拍子 序奏付きのソナタ形式。
序奏は、幻想的かつ悲劇的な旋律で始まる。旋律の初め、属音から主音に4度跳躍して順次上行する4音からなる音型は、各楽章の主題と関連があり、全曲の基本動機的な役割を果たしている。序奏はかなり長く、物語るように発展するが、やがて始めの旋律に戻り、主部に入る。
主部は弦とクラリネットが弱音で第1主題を提示する。主題は序奏動機に基づき、繰り返しながら急激に盛り上がる。第2主題はホ短調、クラリネットで奏されるが、弦の第1主題の動機が絡んでいるためにあまり目立たない。小結尾では弦に詠嘆的な旋律が現れる。提示部は繰り返し指定があるが、実際に繰り返す演奏は少ない。展開部は弦の長く延ばした響きで開始され、各主題を扱う。再現部は短縮されている。コーダは展開部と同じように始まり、すぐに激しく興奮するが、やがて序奏の主題が戻ってきて静かに楽章を締めくくる。

第2楽章 ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ ヘ長調 2/4拍子 ソナタ形式。
スケルツォ風の楽章。短い前奏につづいて、木管がスコットランド民謡を思わせる旋律を示す。これが第1主題で、第1楽章の序奏主題の動機に基づく。第2主題はハ長調、弦のスタッカートで順次下行する。展開部では第1主題を主に扱い、各楽器がこの主題を追いかけるように奏し合う。再現部では第2主題が強奏されて効果を上げる。

第3楽章 アダージョ イ長調 2/4拍子 簡略化されたソナタ形式。
短い序奏があり、イ短調からイ長調に変わる。主部は、歌謡的な第1主題と葬送行進曲風の第2主題が交互に現れる。

第4楽章 アレグロ・ヴィヴァチッシモ イ短調 2/2拍子 - アレグロ・マエストーソ・アッサイ イ長調 6/8拍子 ソナタ形式。
低弦が激しくリズムを刻み、ヴァイオリンが広い音域を上下する第1主題を示す。経過句では、弦によって推進的なリズムが現れる。第2主題はホ短調、木管楽器で出されるが、弦によるハ長調の勇壮な対句を伴っている。この主題も第1楽章の序奏主題と関連がある。展開部では、第1主題と経過句の動機が主に扱われる。再現部は短縮され、コーダに入ると、第1主題に基づいて激しく高まるが、波が引くように静まって、第2主題が寂しげに奏され、いったん全休止となる。テンポを落として6/8拍子になり、低弦が新しい旋律をイ長調で大きく歌う。これも第1楽章の序奏主題の動機が組み込まれている。この新しい主題によって壮大に高まり、全曲を明るく結ぶ

交響曲第3番 (メンデルスゾーン)

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