メンデルスゾーン:交響曲 第2番 『讃歌』'Lobgesang' 変ロ長調 作品52

指揮: アラン・アルティノグリュ Alain Altinoglu
hr-Sinfonieorchester
MDR放送合唱団 MDR-Rundfunkchor
Katharina Konradi, Sopran | Miriam Albano, Mezzosopran | Matthew Swensen, Tenor
Kloster Eberbach, 25. Juni 2022

Ⅰ. Sinfonia:
  Maestoso con moto - Allegro 00:00
  Allegretto un poco agitato 11:44
  Adagio religioso 17:45
II. Chor, Sopran und Frauenchor:
  Alles, was Odem hat, lobe den Herrn! 24:04
  Lobe den Herrn meine Seele 28:45
III. Tenor - Rezitativ und Arie:
  Saget es, die ihr erlost seid durch den Herrn 30:37
IV. Chor:
  Sagt es, die ihr erloset seid 33:31
V. Duett: Sopran I und II, Chor:
  Ich harrete des Herrn 35:14
VI. Tenor:
  Stricke des Todes hatten uns umfangen 39:35
VII. Chor:
  Die Nacht ist vergangen! 44:24
VIII. Chor:
  Nun danket alle Gott 48:53
IX. Duett: Sopran und Tenor:
  Drum sing’ ich mit meinem Liede 53:06
X. Schlusschor:
  Ihr Volker, bringet her dem Herrn 57:24

フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディの交響曲第2番『讃歌』変ロ長調作品52、MWV A 18(ドイツ語: Sinfonie Nr. 2 in B-Dur op. 52 MWV A 18 "Lobgesang")は、メンデルスゾーンが1840年に作曲した独唱と合唱を伴う交響曲。
歌詞はドイツ語で、マルティン・ルターが1534年に完成させた旧約聖書のドイツ語版の文言を、メンデルスゾーンが順序も含め改定したもので、神への賛美を歌い上げている。(歌詞参照)

1840年6月、ライプツィヒで開催されたヨハネス・グーテンベルクの印刷技術完成400周年記念祝典に際し、メンデルスゾーンがライプツィヒ市から委嘱されて作曲した2作品の内の一つがこの交響曲で、同年6月25日に作曲者自身の指揮でライプツィヒの聖トーマス教会で初演された。その後、楽譜を一部改定し、同年12月3日に作曲者自身の指揮でライプツィヒのゲヴァントハウスで演奏された。よって現在、初演版(premiere version)と、改訂版(revised version)の2つの版がある。
作曲順ではメンデルスゾーンの交響曲全5曲で4番目であるが、出版順では2番目であるため第2番と表記される。ベートーヴェンの交響曲第9番を彷彿とさせる独唱と合唱の付いたこの交響曲は、初演当初人気を博したが、それ以降は注目を集めることも少なくなった。しかし、1958年、ライプツィヒに国際メンデルスゾーン協会設立後は再評価され、再び脚光を浴び知られるようになった。

作曲の経緯
1840年6月、グーテンベルクの印刷技術完成400周年の祝典のために、メンデルスゾーンはこの交響曲第2番と男声合唱と吹奏楽のための『祝典歌』(Festgesang MWV D 4)の2曲を作曲した。後者は、通称『グーテンベルク・カンタータ』と呼ばれる作品で、1840年発表当時、作曲者自身が気に入らなかったため出版しなかった。
メンデルスゾーンはその前年1839年に、イギリスの友人カール・クリンゲマンに宛てた出紙(1月1日付け)の中で、「変ロ長調の交響曲」の構想について述べており、この時点では単なる純器楽の交響曲で、現在のような大規模な作品とすることは当初考えていなかったという。しかし1839年末には作曲に着手し、1840年に記念祭を迎えた時点では、交響曲の3つの楽章はほぼ書き上げられていたという。第2楽章のトリオ部分だけは、全体が「讃歌」として発展することになった際に対位法的に補筆された。
またメンデルスゾーンは「讃歌 - 聖書の言葉による交響カンタータ(Sinfonie-Kantate)」という題を自ら名付けており、「讃歌」は彼の考案で、「交響カンタータ」は友人のカール・クリンゲマンの発案である[2]。総譜には作曲者により作品のモットーともいえるルターの言葉が記入されている。
歌詞はマルティン・ルターがドイツ語訳にした旧約聖書によるが、メンデルスゾーン自身により順序を入れ替えるなどの改編を加えたという。

初演 1840年6月25日、メンデルスゾーン自身の指揮でライプツィヒの聖トーマス教会で行われた初演には、友人のシューマンも出席した。初演後は同地で3回演奏され、そのうちの2回はザクセン国王フリードリヒ・アウグスト2世の希望によるものであった。
その後、メンデルスゾーンは声楽部分の改訂を行い同年11月に完了した。この改訂版は、同年12月3日、ライプツィヒのゲヴァントハウスで初演された。翌1841年に出版され、アウグスト2世に献呈された。

編成 声楽:ソプラノ独唱2、テノール独唱、混声合唱
管弦楽: 木管楽器:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2
金管楽器:ホルン4、トランペット2、トロンボーン3
その他:弦五部、ティンパニ、オルガン(第2部のみ)
演奏時間:初演版は約60分、改訂版は約65分から70分。

構成: 作品は全2部10曲から構成される。第1部は3楽章のシンフォニア、第2部はカンタータ楽章となっている。なお改訂版では第6曲・第8曲・第10曲が書き足されており、原典版とはテクストが異なる。
第1部
第1曲 シンフォニア(Sinfonia)
第1楽章 マエストーソ・コン・モート-アレグロ(Maestoso con moto - Allegro)
序奏部のマエストーソ・コン・モート(変ロ長調、4分の4拍子)は3本のトロンボーンによって厳かに奏され始める。この序奏は全曲の基本主題であり、祝典的な役目も果たす。また第10曲の終結部でもこの主題が登場する。主部のアレグロ(変ロ長調、4分の4拍子)はソナタ形式による。展開部は前半が第1主題と基本主題、比較的落ち着いた後半が第2主題を主に取り扱う。再現部の第1主題は提示部に比べてかなり圧縮され、すぐに第2主題につながっている。コデッタの再現の後、コーダに入り、クラリネットのカデンツァののち、アタッカで次の楽章へ切れ目なく移行する。
第2楽章 アレグレット・ウン・ポコ・アジタート(Allegretto un poco agitato)
ト短調、8分の6拍子。自由な三部形式による。明記こそされていないもののスケルツォに相当する楽章である。トリオはト長調で、コラール風の旋律の間にも主要主題と基本主題が断片的に挿入されており、第3部はピッツィカートで主題が導入されて第1部の自由な再現となっている。
第3楽章 アダージョ・レリジオーソ(Adagio religioso)
ニ長調、4分の2拍子。三部形式による。中間部はニ短調だが比較的短めである。第3楽章の動機は第2部でも活用される。

第2部
第2曲 合唱「すべて息づく者は主を称えよ!」(Alles, was Odem hat, lobe den Herrn)
アレグロ・モデラート・マエストーソ-アニマート、ニ短調。管弦楽による序奏(16小節まで)が置かれている。この序奏は第3楽章の中間部のリズムを活用している。17小節から合唱が歌い、モルト・ピウ・モデラート(139小節以降)からはソプラノ独唱と女声合唱が「主を称えよ、我が魂よ」を歌う。詞は詩篇150:6、33:2(主を讃えよ、弦を奏で、歌え、というこの曲のコンセプトと重なる歌詞が登場する)、145:21、103:1-2による。
第3曲 アリア「汝ら主に贖われし者は言え」(Saget es, die ihr erlost seid )
アレグロ・モデラート、ト短調。テノール独唱によるレチタティーヴォとアリア。詞は詩篇107、56:8/119:50による。
第4曲 合唱「汝ら主に贖われし者は言え」(Saget es, die ihr erloset seid)
ア・テンポ・モデラート、ト短調。詞は詩篇107/56による。
第5曲 ソプラノと合唱「我は主を待ち焦がれ」(Ich harrete des Herrn)
アンダンテ、変ホ長調。ソプラノ二重唱と合唱。第5曲はシューマンがとくに絶賛した部分であり、批評も残している。詞は詩篇40:2/5による。
第6曲 アリア「死の絆は我らを囲み」(Stricke des Todes hatten uns umfangen)
アレグロ・ウン・ポコ・アジタート、ハ短調。テノール独唱とソプラノのレチタティーヴォによる。詞は詩篇116:3、エフェソ5:14、イザヤ21:11-12による。
第7曲 合唱「夜は過ぎ去れり」(Die Nacht ist vergangen)
アレグロ・マエスト-ソ・エ・モルト・ヴィヴァーチェ、ニ長調。詞はローマ書13:12による。
第8曲 合唱「いまこそ皆、神に感謝せよ」(Nun danket alle Gott) コラール.アンダンテ・コン・モート-ウン・ポコ・ピウ・アニマート、ト長調。ルター派の有名なコラール「いざやともに」(日基版『讃美歌』2番、『聖歌』291番「いざもろとも」)が用いられ、前半は8声部の無伴奏で、後半は伴奏が入ったユニゾンで歌われる。歌詞はマルティン・リンカルト(ドイツ語版)が1636年に作詞したものである。
第9曲 アリア「我ゆえに我が歌をもて」(Drum sing ich mit meinem Liede)
アンダンテ・ソステヌート・アッサイ、ト短調。ソプラノとテノールの二重唱による。詞は由来不明だが、詩篇の詩句をメンデルスゾーンが自由に編纂したとも考えられる(外部リンクに詳細な解説あり)。
第10曲 終末合唱「汝ら民よ、主に栄光と権力とを帰せよ!」(Ihr Volker! bringet her dem Herrn Ehre und Macht!)
アレグロ・ノン・トロッポ、ト短調-変ロ長調。終末合唱はフーガの手法によって展開する。第1部の基本主題が登場し、「息あるものはすべて主を称えよ」が歌われて全合奏によって輝かしく終える。詞は詩篇96、歴代誌上16、詩篇150:6による。 歌詞: ドイツ語歌詞はドイツ語版W

交響曲第2番 (メンデルスゾーン)

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