ショパン:前奏曲 雨だれ Prelude Op.28, No.15

ピアノ演奏:ヴァレンティーナ・イゴーシナ Valentina Igoshina

フレデリック・ショパン作曲の前奏曲 Prelude は、ピアノのための作品。24曲の前奏曲から成る曲集と独立曲2曲の、計26曲である。
いずれも非常に短い小品である。ここでいう前奏曲とは、何かの前奏ではなく、前奏曲風の作品、または、J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集にある前奏曲(第1巻、第2巻ともに前奏曲とフーガ(遁走曲)の一対で24の長短調すべてに対応する48曲が含まれる)のような作品、というような意味である。前奏曲は形式にとらわれない自由な転調、劇的な展開を見せバッハの時代には革命的な内容であった。また24の調を使用するというのも前例のないことであり、ショパンが前奏曲と銘打ったのは作曲者への敬意だけでなくその革新的な内容に挑もうという意図があったものといえる。
24の前奏曲作品28 第15番 変ニ長調 ソステヌート、4分の4拍子。
有名な「雨だれの前奏曲」である。24曲中最も演奏時間が長い(5分程度)。
「雨だれ」の描写は他調の曲でも行っているが、繋留音が異名同音でこれほどまでに清明(変ニ長調)と暗黒(嬰ハ短調)の対比をさせる結果になっているのは本作だけである。比較的平易に演奏できるが、作曲技術の妙を感じさせ、ショパンの前奏曲の代名詞のようになっている。

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