ショパン:幻想ポロネーズ Polonaise-Fantaisie 変イ長調、作品61

ピアノ演奏:スタニスラフ・ブーニン Stanislav Bunin
This live concert recording from 1987 in the Munich Philharmonie

幻想ポロネーズ(Polonaise-Fantaisie)変イ長調、作品61は、フレデリック・ショパンのピアノ独奏曲。1846年に出版され、A.ヴェイレ夫人に献呈された。
「ポロネーズ第7番」ではあるが、所々にポロネーズ的リズムは散見されるも、構成からは幻想曲に近い。実際、ショパンは当初この曲の題を「幻想」としており、ポロネーズとしてではなく幻想曲として作曲していた。複雑な和声と自由な形式をもつ独創的な作品で、ショパンの独立した作品としては大規模な部類に入る。

「この痛ましい幻影は芸術の域を超えている」とフランツ・リストは評している。アルトゥール・ルービンシュタインやヴラジーミル・ホロヴィッツの演奏もあり20世紀半ばになって人気が出た。現在は同時期に書かれた舟歌(作品60)、チェロソナタ(作品65)とともに最晩年の傑作とされる。

5つの主題(第1、第2の主題がポロネーズ風)による自由な形式を持ち、ショパンらしい悲愴なパッセージもしばしば現れるが、全体を支配するのは美しくも夢幻的な雰囲気であり、終盤では何かが沸き起こるかのようなAllegro maestosoから、最後はやや快活なスケルツォ風に終わるなど、多彩な内容を持つ。
調性や、冒頭の4度降下のモチーフなど、幻想曲(作品49)との共通点も指摘される。

1.Allegro maestoso、変イ短調(調号は変イ長調)、序奏。テンポ設定は緩く、自由即興的な転調を楽しむ。
2.Allegro maestoso、変イ長調、第1主題。ポロネーズのダンスリズムが登場。
3.Allegro maestoso、変イ長調、第2主題 - ホ長調 - 変イ長調
4.Allegro maestoso、変ロ長調、第3主題 - ロ短調。右手の華やかな走句が印象的。
5.Poco piu Lento、ロ長調、第4主題。穏やかなコラール風の部分。
6.Poco piu Lento、嬰ト短調/ロ長調、第5主題。左手シンコペーションが加わり、右手は半音階的な旋律を歌う。
7.Poco piu Lento (lento)、ロ長調、序奏の再現
8.Poco piu Lento、ヘ短調/変イ長調、第5主題―Allegro maestoso
9.Allegro maestoso、変イ長調、第1主題。三連符が右手中声部に現れる。
10.Allegro maestoso、変イ長調、第4主題。最後に高い主和音が曲の終わりを告げる。

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