ショパン:幻想曲 Fantasie ヘ短調 作品49

ピアノ: ユリアンナ・アヴデーエワ Yulianna Avdeeva
16.07.2017, Gustav Mahler Saal, Toblach(northern Italy)

フレデリック・ショパンの幻想曲 ヘ短調は1841年に作曲された。作品番号は49。幻想曲は元々、形式に捉われない自由な楽曲を意味し、バロック時代から多くの作品が書かれたが、その作風は時代によって変化してきた。バッハからモーツァルトに至っては、それは思いつくままに楽想を並べていったようなものであった。

ベートーヴェンは自由な序奏の後、1つの主題が提示されて、それが何回も変奏され、発展していく形をとった(幻想曲Op.77、合唱幻想曲Op.80などに見られる)。しかし、ロマン派になると、逆にソナタの形を取る長大な作品に仕上げられた。シューベルトの「さすらい人幻想曲」や、シューマンの幻想曲などはまさしくその典型である。 そしてショパンはソナタ形式を基調としながらも、序奏や中間部が組み入れられるきわめて自由な作品に仕上げた。ショパンはバラードでも同じような形式を用いたが、それらが3拍子系であるのに対して、4拍子系であることから幻想曲とされた。

フレデリック・ショパン:幻想曲

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