スウェーデン映画:サクリファイス Sacrifice

音楽:J.S.バッハ作曲マタイ受難曲 より Erbarme dich
監督:アンドレイ・アルセーニエヴィチ・タルコフスキー Andrei Arsenyevich Tarkovsky

 

ロシアのアンドレイ・タルコフスキー監督の遺作映画のラストシーンです。
J.S.バッハの『マタイ受難曲』第47曲「憐みたまえ、わが神 よ」が流れる中で、これまで声が出なかった少年が「初めにことばありき、なぜなのパパ?」というシーンです。スウェーデンの南・ゴトランド島で撮影とのことです。

『サクリファイス』(英語題:The Sacrifice, スウェーデン語題:Offret)は、1986年にロシア人映画監督のアンドレイ・タルコフスキーが制作したスウェーデン映画である。
当作品は1986年の第39回カンヌ国際映画祭において絶賛され、審査員特別グランプリを初めとする4賞を独占して受賞した。しかしタルコフスキーはこの映画の完成後、病床に伏し、同年暮に故国にも戻れぬままパリで亡くなり、遺作となった。

作家・柳田邦男は著書『犠牲(サクリファイス) わが息子・脳死の11日』(文藝春秋、1995年)で次のような事を書いている。
次男は生前、バッハの『マタイ受難曲』を気に入って何度もレコードで聴いていた。またタルコフスキーのこの映画『サクリファイス』にも傾倒していた。 その後、自殺を図った次男は治療の甲斐なく脳死状態となり、移植のため腎臓の摘出手術を受けた。深夜に柳田が次男の遺体とともに帰宅して間もなく、長男がこの時間に偶然にNHKの衛星放送で『サクリファイス』が放送されているのに気付いてテレビのスイッチを入れると、映画の終盤の場面が映り、そのBGMは『マタイ受難曲』のアリア「憐れみ給え、わが神よ」であった。

音楽の森 サクリファイス

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