イタリア映画「道」"La Strada" 1954年製作・公開 主題曲 「ジェルソミーナ」"Gelsomina"

監督: フェデリコ・フェリーニ Federico Fellini
音楽:ニーノ・ロータ Nino Rota
キャスト: ザンパノ(名前の由来のzampaは動物の脚やひずめ。諧謔で人間の脚にも使われる。粗野の象徴)- アンソニー・クイン Anthony Quinn
      ジェルソミーナ(Gelsomina:男性形gelsomino はジャスミンの花。純粋の象徴)- ジュリエッタ・マシーナ Giulietta Masina

『道』(原題:La Strada)は、1954年のイタリア映画。フェデリコ・フェリーニ監督作品で、1956年のアカデミー外国語映画賞を受賞した。自他共に認めるフェリーニの代表作の一つ。フェリー二の作品の中では最後のネオリアリズム映画といわれる。
アンソニー・クイン以外は日本では無名で、女優も美人とは言い難かったが、日本でも上映されると口コミで評判を呼んだ。ヨーロッパのキリスト色が、いたるところに見られる。

主題曲を始めとする本作の音楽は、フェデリコ・フェリーニ監督作品を数多く手掛けたニーノ・ロータが作曲した。
日本語歌詞が付き、本作が日本で公開された1957年(昭和32年)の第8回NHK紅白歌合戦で中原美紗緒が歌っている(『ジェルソミーナ』として)。

ストーリー
旅芸人のザンパノは芸の手伝いをする女が死んでしまったため、その姉妹のジェルソミーナをタダ同然で買い取った。粗野で暴力を振るうザンパノと、頭が弱いが心の素直なジェルソミーナは一緒に旅に出る。
道化の格好で芸をするジェルソミーナ。新しい生活にささやかな幸福さえ感じていたのだが、ザンパノの態度に嫌気が差し、街へと逃げていく。そこで陽気な綱渡り芸人に出会う。ジェルソミーナはザンパノに連れ戻されるが、綱渡り芸人のいるサーカス団に合流することになる。綱渡り芸人はザンパノと古くからの知り合いらしく、何かとからかってザンパノを逆上させる。ある日、限界を超えたザンパノはナイフを持って追いかけるのだが、その行いで逮捕されてしまう。

綱渡り芸人はサーカス団から追放され、ジェルソミーナに助言を与え去って行く。翌日、ジェルソミーナは釈放されたザンパノを迎え、2人だけで芸をする日々をすごした。しかし後日、ザンパノは故障した自動車を直す綱渡り芸人を見かける。仕返しする機会を待っていたザンパノは綱渡り芸人を撲殺する。
なきがらのそばから離れようとしないジェルソミーナは、綱渡り芸人の死に放心状態となった。ザンパノは、大道芸のアシスタントとして役に立たなくなったジェルソミーナを見捨て、居眠りしている彼女を置き去りにして去ってゆく。

年の時が流れ、見知らぬ海辺の町に立ち寄ったザンパノは、耳慣れた歌を耳にした。ザンパノがたずねると、ジェルソミーナと思われる女が、しばらくその海岸を放浪していたが、誰にも省みられることなく死んでいったという。それはジェルソミーナがよくラッパで吹いていた曲だった。海岸にやってきたザンパノは、絶望的な孤独感に打ちのめされ、ひとり嗚咽を漏らすのだった。

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