アメリカ映画 「八十日間世界一周」 "Around the World in 80 Days" テーマ曲

音楽: ヴィクター・ヤング
歌: ナット・キング・コール Nat King Cole
プラハ市フィルハーモニー管弦楽団 The City of Prague Philharmonic Orchestra

『八十日間世界一周』(Around the World in 80 Days)は、1956年のアメリカ映画。ジャンルはアドベンチャー。
ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne)の同名小説を原作とする。1872年、主人公のフォッグ氏は20,000ポンドの賭けに勝利するため、気球・鉄道・蒸気船などを利用して80日間での世界一周を目指す。
大プロデューサーとして知られたマイク・トッド(Mike Todd)がプロデュース、イギリス出身の若手監督マイケル・アンダーソンが監督し、配給はユナイテッド・アーティスツ社であった(現在はワーナー・ブラザーズが版権を保有)。
トッド自身の肝煎りで開発された「トッドAO方式」でワイドスクリーン撮影された大作で、日本を含む世界各国の多彩な風景をカラー撮影で楽しめる観光映画に仕上がった。

主演のフォッグ氏役には品の良い紳士的風貌の持ち主である名優であるデヴィッド・ニーヴン、パスパルトゥー役には「カンティンフラス」のニックネームで知られた世界的コメディアンのマリオ・モレノ、アウダ役は新進女優であったシャーリー・マクレーンがそれぞれ充てられた。
数十人の有名な俳優が部分部分に入れ替わり立ち替わり登場したので、俳優と観客にとっては「スターを探せ」ごっこを楽しむことができ作品の魅力を高めた(たとえば、端役に過ぎない酒場のピアノ弾きがフランク・シナトラであったというようなお遊びである)。大俳優等がちょい役で出演することをこの作品以来「カメオ出演」というようになった。
なおストーリーはほぼ原作に準じているが、英国ユーモアの要素が加味されてフォッグ氏の言動がさらに誇張されている。

ビクター・ヤングのテーマ曲「Around the World」は、映画音楽として知られるだけでなく、格調高く優雅な曲調が「世界旅行」のイメージに合致していることから、テレビやラジオなどで旅行を表現するジングルにしばしば使われている。たとえば、「兼高かおる世界の旅」のテーマ曲やフジテレビ系列で1997年~2006年に放送されていたサスペンスドラマシリーズ『スチュワーデス刑事』のメインテーマ曲などがその例である。

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