日本の歌:白い花の咲く頃

作詞: 寺尾 智沙  作曲: 田村 しげる
歌: 岡本 敦郎

白い花が 咲いてた
ふるさとの 遠い夢の日
さよならと 言ったら
黙って うつむいてた
お下髪(さげがみ)
悲しかった あの時の
あの 白い花だよ
白い雲が 浮いてた
ふるさとの 高いあの峰
さよならと 言ったら
こだまが さよならと
呼んでいた
淋(さみ)しかった あの時の
あの 白い雲だよ
白い月が 泣いてた
ふるさとの 丘の木立(こだ)ちに
さよならと 言ったら
涙の眸(ひとみ)で じっと
みつめてた
悲しかった あの時の
あの 白い月だよ

「白い花の咲く頃」は、寺尾智沙が作詞し、その夫である田村しげるが作曲した歌謡曲で、1950年に岡本敦郎の歌唱によりNHKラジオ第1放送の『ラジオ歌謡』で紹介されてヒット作となった。岡本は、この曲のヒットによって広く知られるようになり、この曲は岡本の代表曲のひとつとされている。
初のテレビ放送となった1953年12月31日の第4回NHK紅白歌合戦で、岡本はこの曲を歌った。

おもなカバー
水原弘は、1961年12月にこの曲をA面としたシングルをリリースした。倍賞千恵子は、1972年にこの曲をA面としたシングルをリリースした。
また、岡本敦郎の歌唱を集めたコンピレーション・アルバム以外にも、他の歌手によるこの曲のカバーを収録したアルバムは多く、中にはアルバム名にこの曲名も掲げている例もある。

白い花の咲くころ (菅原洋一のアルバム) - 菅原洋一の1969年のアルバム(このアルバムでは「頃」ではなく「ころ」と表記されている)
白い花の咲く頃 (鮫島有美子のアルバム) - 「日本抒情歌集2」とサブタイトルが付けられた鮫島有美子の2003年のアルバム。
このほか、三橋美智也、石原裕次郎、都はるみ、小柳ルミ子、椎名林檎などによるカバーが知られている。

大衆文化の中で
スタジオジブリによる2011年のアニメ映画『コクリコ坂から』は、1963年の横浜が舞台となっているが、作中で高校生たちが「白い花の咲く頃」を斉唱する場面が描かれており、その当時この曲が広く知られていたことを表している。

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