イヨマンテの夜

菊田一夫 作詞、古関裕而 作曲
歌:伊藤 久男

「イヨマンテの夜」は、作詞・菊田一夫、作曲・古関裕而、歌・伊藤久男/コロムビア合唱団の歌謡曲。
「イヨマンテ」とはアイヌ語で「送り儀式」のことで、「熊祭り」の字を当てることも多い。全2番。

元々はNHKのラジオドラマ『鐘の鳴る丘』の劇中の山男をテーマとして、生放送の中、古関がハモンドオルガンで即興的に演奏した曲だった。山男が「アーアー」と口ずさむだけのメロディだったが、たまたま番組を聴いていた伊藤が、曲を気に入り採譜。菊田と古関もこれを気に入り、ひとつの作品として残すことになった。改めて古関が作曲、ドラマの脚本を書いた菊田が当時、アイヌの作品を手がけていたため、アイヌ的な単語を当てはめた歌詞を加え、1950年 1月にレコード発売された。

「アーホイヨー」の歌い出しは雄叫びにも似て、伊藤が朗々と歌い上げる。リズム的にも大変難しく、男性的な歌謡曲の典型で、1950年から1952年頃の『NHKのど自慢』ではほとんどの男性出場者がこの曲を選択し、審査員を困らせた。その後ののど自慢でも、長らく声量自慢の年配者が歌う姿が見られた。

アイヌに題材を採ってはいるが、かがり火をたいて祭りを行うものになっていたり(送り儀礼は日中行われる部分が多く、夜間にもかがり火は焚かない)、アフリカの楽器であるタムタム(但しこの部分は単なる擬音ともとれる)が登場するなど、実際のアイヌの儀式や伝統曲とはかけ離れた面も多い。

アイヌを題材にした歌謡曲としては他に映画版『君の名は』第2部の主題歌『黒百合の歌』がある。異教的な雰囲気など、両者には共通点が見られる。作詞、作曲は同じく菊田・古関コンビで、織井茂子の歌でレコード化された。

持ち歌として唄っている歌手

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